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- ナノ -
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落ち着いたところで、私とナナちゃんは浜辺に腰を下ろしたまま雑談中。もちろんパラソルの下で。


「ねーねー、First nameちゃん」

「なんだい、ナナちゃん」


私は信号トリオとその他先輩クルーたちがジャバジャバと海で遊んでいるのを眺めている。

正直、大の大人の男が、しかもごっついオッサンたちが遊んでるその姿はシュールだ。


「悪魔の実って良い?」

「何?ナナちゃんも能力者希望?」


ちらっと彼女の顔を伺えば憂いていた。


「やめときな」

「え?」

「確かに、この世界にいると自分が無力に感じる」

「……」

「でも、これは私の罰。ナナちゃんには、ななちゃんの罰があるでしょ?」

「私……」

「言わなくて良いよ。それに……私は、やっぱり異世界の人間だからか悪魔の実をコントロールするのは難しかった」

「そうなの?」


それこそ血反吐、吐きながら私は修行した。自分の能力で自分の体を切り刻みながら。


「たがらやめときな。言ったでしょ?」


にこりと私は彼女に笑顔を向けた。


「ナナちゃんを護るって。戦うのは私の役目。さて、ナナちゃんの役目は何でしょう」


悩め悩め悩め、きっとあなたにだって役目があるさ。自分の存在意義を見つけて。私は、やっと少しずつ見えてきた気がするから。


「そっか、うん、そーだよね。私はいーや、強くならなくて」


開き直った彼女は強くなる。


「皆、強いしね。私が強くなる必要なんてないじゃん!」

「そーそ」


うんうん、と頷く。結局、私たちは適当で中途半端な存在なんだろう。


「で、First nameちゃんは誰落ち希望なの?」

「そりゃー、私は鰐さんひとす……」


慌てて口を押さえても、すでに遅し。ニヤリと笑った彼女と目が合った。


「やっぱりね」


最悪だ。誰にも言わないつもりだったのに。最悪だ。


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