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- ナノ -
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白ひげの「宴だぁああ!」の一声で赤髪海賊団も一緒に宴が始まった。


「お嬢さん方、どうぞ。サッチ特製パスタ。その名も愛の……」

「はいはい、サッチ隊長サンキュー。厨房戻って良いよ」


シッシッと野良犬並みの扱いでサッチを下がらす。

私とナナちゃんの前にはサッチが作った豪華な料理が並べられていた。それを甲板で、しかも地べたリアンなんてと思ったこともあったが今は何の疑問もないまま口に運ぶ。


「うわっ、サッチだ。リアルリーゼントだっ!」


ナナちゃんは、さっきから隊長たち見る度にこんな調子。まぁ、私も赤髪海賊団の主要メンバー見て興奮したから人のことは言えない。


「で、ナナちゃんのトリップはシャンクス落ちだったわけ?」


パスタなのに箸で食べながら隣を見れば少しナナちゃんの頬が赤らんだ。


「うん、まぁ……」

「ふーん。あれ?ナナちゃんてマルコも好きーとか言ってなかったっけ?」


ニヤニヤしながら言ってみれば慌てたように顔を向ける。


「いいい言ってないよ!」

「ぷっ、どもり過ぎ。ナナちゃんは浮気症だからなー。赤髪に忠告してあげよーかな」

「やーめーてー」


顔を真っ赤にして頭を抱えるナナちゃんにケラケラ笑う。


「そ、そーゆーFirst nameちゃんは、どーなのさ!」

「私?特になーんにも。日々鍛練に勤んでます」

「嘘ー、ありえなーい」

「ありえるー」

「First nameちゃん、何番隊に所属してんの?それとも逆ハー的なポジション?」

「私逆ハー嫌いだし。一番隊所属だよ」

「マルコのとこじゃん!マルコ落ちでしょ!」

「ない」

「あ、じゃあエースだ!」

「まだ家族にすらなってない」

「あ、そうなんだ。そーいえば見掛けないもんね」

「たぶん、そろそろ回り出すと思うよ」


茶色い液体のグラスを斜めに傾けコクリと一口飲む。喉が焼ける感じがする。


「……何が?」

「運命の歯車みたいな?あの胡散臭い神の言葉を借りるなら」

「……」

「私とナナちゃんが出逢ったことで、やっと歯車が噛み合った。きっとこれから巡るめく早さで進む」

「そうだね。きっと……私たちが、この世界にいる理由が分かる」


異世界の少女、二人だけが知る未来に、苦痛と哀しみと少しの希望を分かち合う。


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