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15

朝から顔をしかめた。今この船は夏の気候の海域なのに、いつもみたいな眩しい日差しが入って来ない。窓から覗けば空一面を厚い雲が覆っていた。


「今日は曇りか……」


朝は元から苦手だが何だか今日は違和感を感じた。椅子に掛かっているカーゴパンツを履き暗めのバンダナを付ける。ベッドに腰掛けながら編上げのショートブーツの紐を結んでいると。


「あ」


紐が切れた。

確かに今日は朝から嫌な予感がしたんだ。だからそれを見た時頭のどこかで、あぁ……やっぱりとか思いながらも勝手に体が動いていた。


―――――― キン


ナイフと剣が交じ合う。


「白ひげ、躾のなってない息子がいるようだな」

「どけ!」

「……」

「赤髪のシャンクス、お前に用はない!どけよ!」


私は朝から嫌なことがあったから甲板に出ないで部屋に籠っていた。しかし昼時、ドンドンと扉が鳴った。ダラダラと扉を開ければ興奮した三人がいた。


「え、何?」

「赤髪のシャンクスが来た!」

「へ?」

「行くぞ!」


おいおい、ちょっと待てよって言う暇もなくイエローに腕を掴まれ甲板へと引き摺られた。

甲板には人だかりが出来ていて背の低い私にとっては壁。それでも、のし掛かってくる覇王色の覇気の重圧には軽く目眩がしてレッドの腕を掴んだ。


「おい、大丈夫か?」

「うん……三人は平気なんだね」


また自分の弱さを感じる。


「慣れだ慣れ。気ぃ失わないだけすげーよ」


ポンポンと頭を撫でられ、ちょっと元気出た私は一目シャンクスを見たいと背伸びしたり、ひょこひょこしてたら白ひげの笑い声が聞こえてきた。


「グララララ、赤髪。女ができたっていう噂は本当だったようだなぁ」


え、女!?赤髪のシャンクスに!?そんなの原作にないよ?

人と人の隙間から見えた姿。瞬間、カチリと時間が止まった。

私は風になっていた。


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