▼9月22日(鹿誕)
秋雨ときどき振り返したような夏日、そのすきまにある穏やかな秋に君はうまれたんだろうね。空ばかり見てるのはそのせいだろう。おぎゃあって産声をあげるシカマルなんて想像できないなあ。でも誰にだって確かに赤ん坊のころがあって。わたしはすこしあとの、幼いシカマルからを知っている。
「これってまさか」
まさかです。アカデミー時代の君とか、下忍中忍の君とか。これから先のことは知らない。だからね。
「わたしと結婚してください」
百年先も愛してるに決まってるから、永遠にとなりにいようよ
「わっ」
「そーいうことは、男のオレにいわせろよ…」
「細かいことは気にしないの」
「つーかこれ、小さすぎてはまんねーんだけど」
「え!?駄菓子屋さんのおまけじゃ、」
「入るわけねーだろ!アホか」
「だめかあ…」
「ハァー、仕方ねーな…指輪だってな、ただでさえ本来オレが買うもんだってのに、」
「じゃあ今度はシカマルが買ってくれる?」
「高いのはナシだぜ」
「プラチナがいいっ!」
「人の話聞けよ…」
百年先まで愛しててなんていわないでおいてあげるから、せめて君は、わたしのために溜め息をついていてね。
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