▼一番にしてよ

(不死の破壊者編、カカシ先生がシカマルを殴ったその後日談。)

偶然とは怖い。関所へ向かう途中、シカマルと鉢合わせした。シカマルもオレに気付いた。
後から考えるとちょっと大人気無かったかもしれないと感じたが、本人の顔をみてしまうとやはりあれで良かったと思える。できた人間じゃなくて悪いね、どーも。

「跡残っちゃったな」

「別にいっすよ」

言うわりにシカマルは全然良いという顔をしていなかった。

「殴り返さないのね、オレのこと」

「あー、まあ。そういうのらしくねえんで」

「シズクには言ったの」

「カカシ先生に殴られたなんて言ったら、アイツ先生のこと三倍返しで叩きのめしそーだし」

「お前自意識過剰じゃない?」

「どっちが」

「はは」

「どうしたんすか」

「いやね、ちょっと思い出し笑い。…昔さ、オレと二人でいたとき、シズクが好きな人ランキングはじめてさ」

「…一位は」

「もちろん由楽。で、二位がオレとお前」

「うわ…よりによって同着かよ」

「今はきっと変動してるだろうと思ってね」


「…カカシ先生、二位の癖に何でそんな嬉しそうなんスか?」

「覆す自信、あるから」

「最低すね」

鋭すぎる子どもは苦手なのだ。サスケもそうだった。かつて自分自身鋭すぎる子どもだったから、このシカマルと全く同じ視線で考えることができるから、こんな会話も意味を成さない。両者が本心を共有しているだけに、さらに言うと同じ人間を好きになったばっかりに、面倒だ。

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