市丸と吉良と檜佐木



「うわっ!」
「イヅル、どうしたん?」

「今、袴の裾を引っ掛けてしまいまして」
「こらあかんな…」

「大丈夫です。一応裁縫道具は置いて…無い」
「さっき檜佐木くんに貸しとったやないの」
「あ…」

「ええよ、僕やったるから。着替えておいで」
「隊長!!」
「隊長命令や」
「はい」

「裾の纏り縫いがぱっくりやなぁ」
「隊長、僕がやりますので」
「僕の腕前知らんやろ」
「隊長…?」


「吉良、助かったぞっ!何やってんだ」
「実は…」
「市丸隊長の針捌きを見られるなんて滅多に無いんだ!甘えておけ」
「いや…」
「こら黙れっ」
「ほんならやろか」


「うぉぉぉっ」
「檜佐木さん、耳痛いです」
「見たか、あの糸通しの速さっ」
「えぇ…」
「あんな目でよく…」
「檜佐木くん、何か言うた?」
「何でもないですっ」


「おしまい」
「ありがとうござ…」
「どうした?」

「これ…」
「なんや、不満やの?力作の干柿やん」
「え…ありがとうございます」
「やっぱり、市丸隊長は侮れないな」



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