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それからの三日間は怒濤の虚退治にあたった。

「しかしこれだけの量で手応えがねェのもつまんねェなァ」

鬼灯丸を振り回しながら斑目は言う。

虚が昇華されるのを見届けると、金柑は刀を納める。数は本当に多く、これからしばらく見たくないなと思うくらいに。

金柑の手足には、かすり傷やかさぶたが出来かけていた。それにひきかえ、斑目に傷は全く無かった。

当然か
強くなりたいな…

女であろうと一度は思うことだと、金柑は感じた。

「しっかしよぉ!そろそろピーク過ぎるんじゃねぇか」

まぁ確かに…
こんな状況が一週間も続いたら
ゲロゲロだ

うんざりし合う二人の伝令神機が鳴り、取り出さない斑目に代わり金柑が出た。

慌てて出れば、技局の通信かと溜め息。

「斑目さん、安定してきたそうですよ」

「ってことは、明日か明後日には戻れってことか?」

「はい、明日の夕方には引き上げて構わないと」

そうかと呟くと、金柑は伝霊神機を仕舞い、斑目は義骸に戻った。

「何してんだ、行くぞ!」

ぼんやりしていた金柑も急いで戻る。

「何処にですか?」

「弓親に頼まれてただろ?」

一人で行こうかと思っていたのに
覚えていたんだ

うるせぇんだよ、と苦虫を噛み潰す表情の斑目から普段いかに綾瀬川にやられているかが分かった。


昨日黒崎くんに場所を聞いたけど

その黒崎はそのことを井上織姫に聞いたのだが、非常に恥ずかしかったと金柑に零した。

流石に入れないと、外で待つ斑目を残して、店員にメモを渡す。

「かしこまりました。少々お待ち下さいませ」

店内を見回し、きらびやかな世界にお化粧とかした方が良いのかなぁ、と化粧っ気のない肌をさする。

店内をくるくると回るウミノが目を留めたのは、ピアスだった。

うわぁ綺麗

様々なタイプのピアスに見入っていると、店員が袋を提げて戻って来た。予想よりと多い袋の山に手を出すのを躊躇った。

代金を払い、礼を言って外に待つ斑目のところに戻った。

手持ち無沙汰に隣の店を覗いていた斑目は、金柑の様子に意外と早ェんだな、と手にしていた細工物を戻した。

「探しきれないと思って、お店の人に任せちゃったんです」

相槌を打つと、次は松本かと金柑の行動を待つ斑目。擦れ違い人々は、斑目の風貌にそそくさと歩を早めている。

これまた黒崎に注文をしてもらい、受け取るだけにするという方法をとった金柑。

二人は目当てのモノを受け取る為に、真向かいの店に向かった。

「松本もろくなこと考えねぇからな」

ぼやいた斑目だったが、彼に限らずとも後に金柑も後悔することになるのだ。



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