黒バス | ナノ




蛇足的ななにか


「涼太、誕生日おめでとう」

 それからしばらく泣いて、公園の水飲み場で顔を洗った後、兄貴に手を引かれて家に帰った。意外なことに両親も征十郎君も、オレを怒りはしなかった。また兄貴が何かを言ってくれたんだろうか。あーほんと、なんかむかつく。
 夕食はオレの好きなものばっかりで、腹いっぱい食った後には大きないちごショートが出てきた。思い切って8号買ってきました、と誇らしげに言うだけあって、かなり大きい。食べきれないんじゃないかって言う父さんに、オレが全部食べる! と言うとみんなに笑われた。
 ケーキも食べ終わって、貰ったゲームを征十郎君としている時に夕方のことを思い出して、思い切って聞いてみた。

「ねぇ、征十郎君ってキスしたことあるの?」
「あるよ」
「え、……へぇ」
「ああ、でも、テツヤとはしてないよ。夕方は嫌がられたし」
「え、そっか。って、え、なんで!?」

 夕方だなんて一言も行っていない。あの時オレは寝た振りをしていたのに、なんで後ろを向いてた征十郎君がオレが起きてたことに気付いてるんだ。驚くオレをよそに、征十郎君は鼻で笑っている。
 でも、そっか。嫌がられたってことは、別に付き合ってるとかそんなんじゃないってことか?

「でも、先週から付き合い始めたから、キスするのも時間の問題だけど」
「へぇ……え、え?」
「涼太、ごめんね。テツヤは貰うよ」
「は、え、えええええ!」
「涼太、うるさいですよ」




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