雑記 | ナノ



こうしん
2013/08/27 01:39

ひっさしぶりに更新しました っていうかピクシブにあげてたものをそのままコピペしただけなんですけど!
コピペするの力尽きたのでとりあえず4つだけ。
残ってる赤黒と黄黒と虹赤とリヴァエレのコピペは頑張れる時に頑張れればいいなと思ってる

あと、10月発行のPG×黒子君のアンソロに参加させてもらうんですけどそれに書こうと思って面白くなさすぎて途中で放置した赤黒+花宮を晒す。こわいものなんてないし恥もない
。嘘!!!!!けっこう恥ずかしい!!!!けどどうせ山崎さんくらいしか見てないから別にいい 読めよわんこ……
途中で終わってる

それとアンソロと言えば9月黄黒オンリー発行の黄黒小説アンソロと、10月スパーク発行の進撃エレン受けアンソロと冬コミ発行の赤黒アンソロにも参加させて頂く予定です。とても嬉しい
詳細は後日追ってまた日記に書くかもしれないし忘れてたら書かないかもしれない。そんな感じ!



赤司君→全中で諦めない、圧倒的力の差を見せられてもなお負けて悔しがる黒子君を見て興味を持つ、理事長の息子、好きになるけどからかうような態度しかとれない
花宮→普通に下衆だけど下衆すぎて遠慮しなくていいから楽って理由で黒子と一緒にいる、校長の甥




 それはまさに青天の霹靂であった。
「あなたに推薦が来ているのよ」
 次に担任教師の口から出てきたのは、誰もが知っている超名門私立校の名前で、進学を諦めて就職しようと考えていたボクはその名前をばかみたいに復唱することしか出来なかった。

 物心ついた時には俗に言う天涯孤独ってやつで、でもその単語のイメージ通りの寂しい生活とはかけ離れていたから特に不満を感じたことはなかった。
 両親のことは詳しくは知らない。なんでもボクが言葉も喋れないくらいの時に、共に事故で亡くなったらしい。昔で言うところの孤児院、今は児童養護施設と呼ばれている場所でボクは育った。
 名称が変わったことと何の関係があるのかは分からないが、この施設で生活する子どもたちの中に「孤児」は少ない。昔はその名称通り、何らかの形で保護者を失った子どもたちが多く入所していたらしいが、今では親がいても養育が困難な子どもたちが預けられるケースが多いらしい。
 ボクは母さんの温もりも父さんの顔も覚えてはいないけれど、それでも親がいるのに一緒に暮らせない他の子どもたちに比べると随分あっさりと自分の生い立ちを受け入れられている方だと思うのだ。これは恐らく生い立ちとは関係ないのだと思うのだが、ボクはとても影が薄い。存在感がない。だから、施設職員に見失われたり忘れられたりすることも多かったけど、この施設内で変に悪目立ちしていじめられることもなかった。それなりに仲が良い友達もいたし、大昔のテレビアニメやドラマみたいに意地悪な職員にいじめられることもなかった。
 愛情に飢えているから、問題を起こす子どもも多かった。それでも根っから悪い人なんかいなかったし、愛情に飢えているからこそ持っているバランス感覚でもって、みんななんとかうまいこと距離を保って生活をしていた。この暮らしに、特に不満なんかはない。
 不満なんかはないのだが、進学するにあたって、ボクは初めて境遇が自分にとって不利に働くことを知った。
 小学校、中学校と公立に進んだ。それなりに楽しく、それなりに平和に送っていた学生生活だが、中学でバスケ部に入った途端、それは鮮やかに色付いてボクの心を揺さぶった。下手くそなりに、ボールを追いかけて、ついて、放つのが楽しくて堪らない。体力がないくせに朝練から放課後、部活終了後の居残り練習まで続けて、帰宅後も授業中も泥のように眠る。そんな三年間を送った。執着することを知らなかったボクが唯一、これだけは譲れないと思えるものが出来たのだ。
 ボクはバスケに夢中だった。少ないお小遣いでなんとかやりくりして、セールでバッシュも買ったし、ジャージは先輩のお下がりをもらったりした。公立の部活だ、かかるとは言っても費用はさほどではない。
 それほど強いチームではなかった。だけど、みんなバスケが好きで一生懸命部活に打ち込んでいたいし、部活内の雰囲気も良好だった。必死に打ち込んで練習はするが、試合で誰かがミスをしてもそれを責めない。誰だってミスはする。みんな真面目に取り組んでいてそれを知っているからこそ、糾弾するような真似はしなかった。
 練習試合でも公式試合でも、勝ったり負けたりを繰り返していたのだが、中学三年生の時に初めて地区予選の準決勝まで進んだことがあった。一年の時は二回戦、二年時は初戦敗退だったのだから、これはボク達にとっては中々の成果であった。あと二回勝てば全国大会に進めるのだ。それほど目立った活躍をしている部活がない公立校である。地区予選決勝戦まで進めば、全校応援があるからあと一勝ぜったいしろよ! と級友たちに背中を押され、もちろん自分たちももしかしたら、と自然高揚していた。
 中学最後の年だ。楽しいから、好きだから続けていた部活だし、勝ち負けにこだわっていたのではない。だけど、出来ることならそれはもちろん勝ちたい。一回戦、二回戦と勝ち上がる毎に部の士気は上がり、緊張感も増していった。
そして迎えた準決勝当日、相手は帝光中学――県一番、どころか、全国大会優勝常連の強豪校だったのである。
バスケをしている者ならばその名は皆知っている。ボク達が一回しか勝てなかった一年時も、初戦で負けた二年時も、全中で優勝したのは他でもない、この帝光中学だったのだ。中高一貫校であり、多くの部活動で優秀な成績をおさめている帝光だが、その中でもバスケ部は特別だった。ここ十年間で六回の全中優勝を成し遂げており、今年は三連覇がかかった年なのだと言う。
そんな強豪校相手に自分たちがどこまで出来るかは分からないが、それでも全力を尽くそうと円陣を組んだ。今までの三年間、こっちだって相当の時間をバスケに費やしてきたのだ。強豪校とは言え、同じ中学生だ。たとえどれほど点差をつけられようと、絶対に最後まで諦めない。いや、勝とうと思って準決勝に挑んだ。
 勝とうと思って準決勝に挑んだのだ。同じ中学生だし、こっちだって真面目に練習を重ねてきた。実力にそこまで差が出るはずがない、そう思っていた。
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
 燃えるような赤髪の四番が、こちらの主将と握手を交わす。落ち着いた態度からは緊張感は全く感じ取れなくて、幼さを残した面立ち以外はまるで同じ年だとは思えない。然程恵まれた体格でもない彼がつけている背番号はキャプテンナンバーで、うちの主将と握手を交わしているのだし、あの強豪校で主将を張っているのは間違いない。
だけど、あちらのチームには高校生よりも体格の良いメンバーがごろごろいるのだ。一概には言えないが、バスケは体格の良さが影響しやすいスポーツである。そんな彼がどうして、と思ったのだが、そんな疑問はすぐに吹っ飛んだ。正確に言えば、そんなことを考える余裕などなくなってしまったのだ。
 同じ中学生だし、こっちだって真面目に練習を重ねてきた。実力にそこまで差が出るはずがない、そう思っていた。
だけど、同じ中学生でもその才能の差は如実に表れて、その現実は凡人であるボク達に深く突き刺さった。必死で足を動かしても、ボールを追っても、あがいてもあがいても簡単に突き放される。スタメンが次々と交代し、最終的にベンチの控えで構成されたメンバーにダブルスコアの大差をつけられてボク達の最後の夏は終わった。
試合終了後、ベンチに戻る際にちらりと向こうのベンチを見れば、あの赤髪の彼は汗一つかいていない涼しい顔でコートを真っ直ぐに見詰めていた。彼の顔に喜びの色はない。それはそうだ、これは彼にとって勝つのが当然の試合だったのだから。
 悔しかった。人には個人差がある。得意不得意がある。だけど、非凡な才を持たないボクだって、この二年半、必死に練習を重ねてきたのだ。それがあっさりと切って捨てられて、最終的にはごく軽い様子でかわされた。悔しくて身がちぎれそうで、試合が終わってから無言で涙を流した。
 次はない。だけど、この悔しさを消化するために高校に進学してもバスケを続けよう。そう言葉にする為に口を開いたボクの目に映ったのは、諦めで表情を失ったり薄ら笑いを浮かべるチームメイトだった。
「まぁこんなもんだよな」
「なんか、やる気なくしたわ」
「一生懸命やってもこれだもんなー」
 はは、と乾いた笑いが更衣室に響く。
 違う、そんなことはない。そう言いたいのに口の中が乾いて張り付いて、言葉が出てこない。
 言葉少なに別れたメンバーとは、その後自然と連絡を取らなくなってしまった。廊下ですれ違ってもどこか気まずくて、小さく頭を下げて視線を逸らす。そうこうしている内に受験シーズンに入り、他人のことを気にかけている余裕もなくなった。
 公立の中学で、部活もそうだが勉強にも心血を注いでいる学校ではなかった。ごく一般的な内容と授業料で、それで足りないと感じる者は塾に通う。ボクにはそんな余裕がなかったし、何しろバスケに時間を割いていたので、真面目そうだと評される外見を裏切って成績はごくごく平均。強いて言うのならば国語の成績が良いくらいだ。
 目立って秀でたところのない、そして金銭的な余裕もないボクが進学できる高校は限られている。高校に進学せずに、就職して独り立ちするのも良いかもな、と考え始め、真剣に求人を探して面接を受けた日のことだ。それはまさに青天の霹靂だった。
「あなたに推薦が来ているのよ」
 次に担任教師の口から出てきたのは、誰もが知っている超名門私立校の名前で、進学を諦めて就職しようと考えていたボクはその名前をばかみたいに復唱することしか出来なかった。目立って秀でたところのない、そして金銭的な余裕もない。だから進学よりも就職を選ぼうとしていたボクに突然訪れたその知らせは、あの名門私立、帝光高等部への推薦であった。
 なんであの名門校がボクに、当然湧いたその疑問を口にしても、担任はただただ言葉を濁して首を傾げるばかりだった。恐らく彼女も困惑していたのだろう。その様子から、彼女がその理由を知らされていないことが伺い知れた。
「良い話しじゃない」
「身の丈に合いません。それにボク、もう内定貰ってるんですけど」
「断れば良いでしょう。それに、この推薦を蹴ったらもうここには推薦の話がこなくなる可能性があるの」
「はぁ……」
「ね? 学校の奨学金制度も使えるみたいだし、学費は将来ゆっくり返していけばいいじゃない」
 たたみかけてくる担任は必死の形相をしていた。この月並みな公立校に、あの名門私立からの推薦が来ただなんて話は聞いたことがない。ボクが受けたところで次が本当にあるのか疑問ではあるが、学校としては実績が欲しいのだろう。
 ボクだって正直、可能なのであればまだ勉強もバスケもしていたい。お世話になった方々に迷惑を掛けるくらいなら、と一度は諦めた進学の道だったが、こんなチャンス滅多にあるものでもない。ぐるぐるとその場で二、三分考えた結果、ボクはその誘いを有難く受けることにした。

 広大な敷地に「そびえたつ」と表現するのがしっくりくる。閑静な住宅街に突然現れた校舎は周囲を高い塀に囲まれていて、まるでそこだけが外界と区切られた特区のような佇まいだった。
 入学案内には高校生は敷地内の寮への入寮も可、とは書かれていたが、実際は九割近くの生徒が寮で生活しているらしい。せっかく推薦して頂けたのだ、暗黙の了解に逆らうつもりはない。素直に入寮を希望し、明日の入学式に備えてボストンバッグ一つに収まった荷物を下げて校舎を見上げた。
 正門を通って五百メートル進み、右手にあるのが高等部、左手にあるのが中等部。寮は、高等部校舎を右手に曲がって更に五百メートル進んだところにある。まだ新学期が始まってはいないが、明日の入学式にあわせて入寮してきている生徒たちで敷地内は賑やかだ。風に乗って硬式のボールがバットにあたる小気味良い音が聞こえてくる。部活動が盛んなこの学校らしい、とぼんやりと考えた。
 五階建ての男子寮では、基本的に二人一部屋になる。同学年同士でランダムに組み合わされ、どちらかが転校しない限りは三年間同室のままだと言う。これは相性が悪いとなかなか辛そうだ。
 寮母さん、いや、寮の管理をする男性だから正確には寮母ではないのだが、に部屋番号を聞いて、与えられた三階の部屋へと階段で上がった。部屋番号は三〇八。南向きの角部屋だ。これはついている。高校三年間のスタートとしては幸先が良い。
「同室の子はもう来ているよ」
 鍵を受け取った際の管理人の言葉を思い出す。三年間、寝食を共にするルームメイトとの初対面である。物怖じはしない方ではあるが、それでもやはり少し緊張した。すぅっと息を吐き出し、ノックを二回。
「はい」
 室内から聞こえてきた涼しげな声に、心臓がわずかばかり跳ね上がる。失礼します、と口の中で呟きながらゆっくりとドアを開けた途端、視界に飛び込んできたのは燃えるような赤だった。
「あ、」
「君が同室の方かな。初めまして、赤司征十郎です」
 驚きで漏れた声は自分で思ったよりもずっと小さかったらしく、相手の耳には届いていなかった。燃えるような赤い髪に左右異色の瞳が印象的だが、よく見れば顔立ち自体も非常に整っている。体格はボクとそう変わらないが、彼の纏う余裕というか落ち着きというか、圧倒的な支配者のオーラが彼を実際よりも大きく見せていた。
 よろしく、と夏の日の青空みたいな声で紡がれた言葉と共に差し出された白い手を見て、はっとする。いつまでも固まっていては変に思われてしまう。感情が表情に出なくてわかりにくいとよく言われるが、自分の表情筋の鈍さに感謝しながらその手を取った。
「黒子テツヤです。よろしくお願いします」
 黒子君、と繰り返されたボクの名前とはもう十四年以上の付き合いになると言うのに、何故だか嫌に新鮮だった。
 あの準決勝で見た、無感情な横顔が脳裏によみがえる。今目の前にいる彼は間違いなくあの時の彼ではあるが、人好きのする爽やかな笑顔を浮かべていた。試合に勝ったのにそれに対して喜びも悔しがりもしていなかった彼の嘘みたいに綺麗な白い横顔は、今の彼からは想像も出来ない。あれは何だったのだろう、と頭の端で考えながら離された右手を見た。
 赤司君は呆けたボクに構わずに、さっさと自分の荷物の荷ほどきに戻っていた。手際良く段ボールから荷物を出して片付けていく彼の背中は小さかった。

 あの全中三連覇成し遂げた帝光中学バスケ部の主将様である。高等部でももちろんバスケ部に入るのだろうとは思っていたが、まさか入部と同時に彼が主将を務めることになるとは思っていなかった。
 部活動が盛んな帝光高等部の中でも、男子バスケットボール部は群を抜いている。中等部でも圧倒的な強さを誇っていたが、高等部も同様だった。なんでも、この地区の全国大会予選は帝光と当たるまで勝ち残ることが他校の目標となっているらしい。そんなマンガみたいな話があるのかと思ったが、現実にあるのだから仕方ない。事実は現実よりも奇なり、現実は思っている以上に残酷で理不尽なのだ。
 そんなバスケ部だから、入部人数も半端ではない。ただでさえ影の薄いボクが大勢の新入部員に紛れるのは簡単だった。この学校のバスケ部は三軍で構成されている。練習も別々に行われるから、例えば一軍と三軍は顔を合わせることも殆どないから、同じ部活なのに名前を知らない人間も結構いるのだ、と三年生が笑いながら言っていた。
 そんな一軍から三軍まで全ての部員が第一体育館に集められたのは、新入部員の振り分けテストが行われる直前のことだった。学内で一番の広さを誇る第一体育館に一堂に部員が集う様は圧巻である。その百人はゆうに超える部員の前で、監督の横に並んでいたのがあのルームメイトである赤司君だったのである。
「今日から主将は、この赤司に任せることにした」
 監督の言葉に、その場の空気が変わる。当然だ。いくら中学最強の呼び名が高い赤司征十郎と言えど、先月までは中学生だったのだ。ここには優秀なプレイヤーなど掃いて捨てるほどいるし、入部したての一年生を部長にすると言われて素直に「はいそうですか」と従える程プライドの低い者ばかりではないことは想像に容易い。
 明らかに不満の色が混ざるざわつきに、だがしかし監督は顔色を変えずに赤司君に話を振った。さぁ挨拶を、と促されて、彼は大勢の反感を含む視線を前にぐるり全体を見渡した。
「赤司征十郎です。本日より主将を務めることになりました」
 彼は、大衆の視線など針の先ほどにも感じないような態度で悠然と微笑む。その態度に、その口ぶりに、体育館が静けさを取り戻した。
「一年生の僕が主将を務めることに反感を感じる者もいると思う。経験不足は否めないが、そこは先輩方にもご協力頂ければ嬉しい。僕は、このバスケ部を強くすることに尽力していくつもりだ」
 よろしくお願いします、そう言って小さく頭を下げる。彼の一挙手一投足は酷く人目を引く。誰もが彼の言葉に耳を傾け、その挙動を注視する。生まれ持ってのカリスマ性とはこのことだ、と訳もなく人を感動させる何かが彼にはあった。
 静まり返った大勢の部員を前に、彼は勝者の笑みを浮かべた。

 実際、赤司征十郎はこの世界においてどうしようもないほどに勝者であった。
 最初こそ入部したての一年生が主将となることに反感を抱く者もいたが、すぐに不満を耳にすることがなくなったのだ。それは彼の指示が何よりも的確で結果を出していたせいでもあり、彼自身がその才能に胡坐をかくことなく他のどの部員よりもストイックに練習に打ち込んでいたからでもあった。彼は、群衆の心を掴むことに長けていたのである。
 心の底ではまだ納得出来ていない者もいたことだろう。だがしかし、六月に入った頃には既に、それをわざわざ口に出す者は一人としていなくなっていた。
「おはよう、黒子君」
 
「」




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