悠久の丘で
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204 生きていれば会えると誰かは言うが、俺たちには通用しない戯言だ

「生きてれば、ってところがミソだよな」
「あら、そんな事言うんだったら戻れば?」
 下を見て、ため息をついてつぶやく。
 そうしたら明るめの茶の髪の女の子が笑っていった。
「だってー…、しょうがねぇじゃん。俺心配なんだもん」
「だからザックスは戻れないんだよね」
「エアリスだって一緒のようなもんだろ?」
 くすり、と笑った。どっちが先かわからないが笑って、胡坐をかいた。


  自分が見守れない所で彼らに何かがあったら恐くて、戻れない。
  今だって手は差し伸べてやれないけど、俺が遠くにいる時にそんな大事があっても嫌だった。
  彼らは20ちょっと。戻ったら20過ぎの歳の差が有ることになる。


 戻るなんて、もう、半ば諦めた感情だった。
 見守ることしか出来なくても、愛しい彼を見守っていたかった。
「あ、ザックス」
「うん?」
 名前を呼ばれて考えに埋まっていた自我を取り戻す。
 顔を上げればエアリスが笑っていた。
「今度ね? なんかセフィロスが下に行くんだってー。連れてってもらおっか」
 イイ笑顔だった。
「あー、そりゃぁ良いなぁ!」


  そしたら彼に会える。
  話して、謝罪が出来る。
  それが出来なくたって、彼に顔を見せることが可能かも知れない。


「じゃ、セフィロスのトコ、行こう? 早めに言っておかないと忘れちゃうんだから」
「そーそー。1人だけ行くなんてズルいよな」
 くすくす笑う。
「生きてなくたって逢えるよな。…戯言だって事」
「だって…、覚えててくれてるもん。私達のこと」
「いつでも逢えるってことだよなー」

 蒼い青い空。
 彼が見ている空より、此処から見る空の色は青いのだろうか?

  いや。
  おそらくどこで見ても一緒なのだろう。

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