悠久の丘で
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172 躊躇うな、破壊しろ、完膚なきまでに

「いいか」
 小さい頃から師匠はAKUMAを見つけるといった。
 僕にはAKUMAに内蔵された魂が見える。
 その魂が永遠の苦しみを背負って泣いている姿が見える。

 だからか。

「あいつらは殺してやるしか解放してやる方法はない」
 僕はそう言った師匠を見上げる。
「俺が神父なのには理由があって…」
 酒も飲むし博打も打つし、女も抱くけど。
「俺は、この力を使ってAKUMAとAKUMAになった奴の魂を救うために神父をやってるんだ」

 いいか、アレン。

「躊躇うな、破壊しろ」
 それが彼らを救う、といった。

 僕はAKUMAを破壊する。
 そうする事でしか、生きられなかったからだ。

 僕はAKUMAを破壊する。
  躊躇うことなく完膚なきまでに破壊する。


 少しでも、人とAKUMAを救いたくて、この異形の手を振るう。

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