悠久の丘で
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不純同性行為症候群

 自分が、悪いのだろうか。俺は只単に具合が悪くて保健室で寝てただけだと云うのに。
「…あら、十七夜月君。起きてたの?」

 ちなみに何故対して面識もないこの保健医がファーストネームで親しげに呼んでくるのか、理由がわからない。

「えェ――…、」
「具合はどう?」
「それなりに…、良いですね」
 来た理由自体の症状は粗方良くなっていた。それとは別の理由で寝起きは最悪だったが。
「そう、良かったわ」
 そう言って笑う保健医は珍しく若くて、肉付きも良いと男子の中ではある程度の地位を築いた人物である。一応愛想笑いで応えるとベッドへと上がりこんできた。思わず寄りかけた眉をどうにかして引き剥がし代わりに笑みを張り付ける。こう云う時思い浮かぶのは常にポーカーフェイスの絶やす事のない友人で、限りない尊敬の念を胸に思い浮かべる事しかできない。
「…先生?」
「十七夜月君、女の子の間では有名だわ。この間、此処で女の子達が自慢しあってたもの」
「はァ」
 なにが、と云った感じだ。
 何故俺の事が自慢になるというのだ、お門違いと云うものではないのか。
 心の中では散々罵倒しておく。
「貴方に抱いて貰った事がある、って、ね」
「それ、は―――」
「あら、言い訳することないわ。生理現状だし―――貴方は若いんだし」
 クスクス笑う。唇に引いた紅が目を引く。

「ねェ、先生ともシてみない―――…?」

 そう言って彼女は妖艶に笑んだ。






「失礼します」
 一応礼をして入る。
「十七夜月…?」
 古泉から、十七夜月が貧血で保健室に行ったと連絡が入り、用事で迎えに行けぬから代わりに行って欲しい、なる伝言を聞いたのはつい先程の事だった。
 4限は終わり、丁度自由に動ける時間帯だったからかも知れない。
 俺は特に用事らしい用事もなかったので迎えに行くことにした。

 ―――用事が、あったところで放り出して迎えに行くだろう、と云うことは古泉も予想済みだったらしく、そういうところを除けば奴にしては譲ったのだと、そう認識せざるを得ない。

 溜息をついて、だけれども多少なりとも心は躍る。
 保健室で休眠を取っている友人に会いにいくというのにそれはどうかと、流石に自分でも思ったのだが自分にまで嘘をついても仕方ないだろう。

 だが、返事くらいしても良さそうなものなのに十七夜月の声は聞こえない。それはおろか常駐しているはずの保健医の声すらも聞こえない。
 どうしたものかと部屋の中央まで歩を進めてみれば―――なるほど。古泉が言っていた、1番窓に近いベッドのカーテンは締め切られている。恐らく中に居るのだろう、とそちらに足を踏み出したときだった。
 カーテンの中から声がする。

「………君、可愛いわね…」
「―――先生…!」

 少し、呆れてしまったというかあまりの愚かさに苦笑してしまったというか。
 媚を込めた甘ったるい声と、聞きなれすぎた愛しい声。

 これは、
「襲われてる、と見たほうがいいのかねェ」
 流石十七夜月だ、とも思うが所有物に手を出されているようでかなり不快である。溜息をつくと先ほどの声では聞こえなかったらしい校医に気付かせるためにもう1度ドアへと戻り、今度は大きな音を立てて横に引いた。
「失礼します」
 今度は声も大きめに。中で許可無く十七夜月に悪戯する校医を追い出すべく。
「十七夜月いるのか?」
「…キョ、ン?」
 中から声が返ってきた。素早くカーテンを引く音が聞こえたが中からそそくさと出てきて何事も無かったように振舞おうとする校医を無視し、俺はすぐにベッドへと向かう。
「あら…お友達?」
 他に何があるって言うんだ?
「私、これから少しの間出てくるから彼の傍にいてあげてくれるかしら」
「―――えェ、構いませんよ。ごゆっくり」
 アンタに言われるまでも無い。
 古泉の慇懃な微笑を脳裏に描き、似たようにやってみた。正直言えばさっさと十七夜月のところへ行きたかったのだが、彼女が出てくれないと出来ない事がある。なので、彼女が扉に向かう前に扉の横へと立ち、外へと促した。
「どうぞ、此処は俺が見ておくので」
「あら―――…、ありがとう」
「では」
 彼女の両足が扉の外に出たのを確認し、俺は扉をきっちり締めるとついでに鍵も閉めておいた。もう戻ってくるな、と毒づきながら。



「キョン―――…? いる?」
「あァ、いる。待てって」
「ぁ―――…、来なくて良いから」
「駄目」
 即答し、幾度か鍵が完全にかかっている事を確認すると十七夜月の寝ている窓際のベッドへと移動し、カーテンの中にもぐりこんだ。
「キョン、来なくて良いって…」
「古泉が心配してたぞ」
 半ば彼の言葉を奪うように言ってベッドの端に腰掛け十七夜月の髪に触れる。
 それに怯えたように十七夜月は身体をひいた。
「―――ぁ、ごめん」
「……何か、あったのか?」
 知っているくせに、そう、聞く。
 大したサディストだと、自分でも思ったがこの際別にどうでもよかった。
「―――ぁ、」
 十七夜月は俯いて自分の手を胸の前で取った。
「―――何か、あったな。誰だ?」
「何か、あったとかそう云うんじゃなくて…」
「誰だ」
 知っているくせに尋ねる。
「―――名前、知らない。……校医」
「さっきの?」
 嘘だろ、とわざわざ驚いたように目を大きく開いて見せて、
「――――――ぅ、ん」
 豪く歯切れの悪い十七夜月を味わう。

「何されたんだ?」

 十七夜月の顔が紅くなった。うん? と下から覗き込んでやればすでに泣き出す1歩手前の状態まで泪が浮かんでいた。
「―――…れた」
「何?」

「俺、具合悪かったから此処で寝てたのに入ってきて…なんか女子共が噂してたとか言って」
 そりゃァ、噂でもするだろう。
「俺、高校に入ってから女なんて抱いてないのに抱いたとかそんな話だったらしくて」
 まァ、毎日のように構っていればそうもなるだろう。
「そんで自分ともシてみないかって…、俺、あァいう人嫌いなんだけど」

 あくまで無理矢理だったのだと云うように。

「触られたのか?」
 躊躇いがちに小さく頷く。
「何処?」
 十七夜月が今度は顔をバッと上げた。
 先ほどを泣き出す1歩前、と喩えるなら今は泣き出す2秒前だ。
「消毒、しなくて良いんだな?」
「それは―――…ッ、」
「何?」
「―――して、欲しい…けど」
「なら、何処を触られた?」
「―――…顔」
 普通其処から入るか、と言いたくなるくらい大雑把な場所だったがとりあえず頬に触れ、指の腹で優しく撫で、次は、と促す。
「唇…も触られた」
 指を動かす。
「そう、じゃなくて―――キス、された」
 クスッと笑って唇を重ねる。だがそれ以上は何もせず、ただ、啄ばむようにするだけ。
「…舌入れられて」
 十七夜月の薄く開く唇を割った。
「舌と絡められて…ン、吸われて……ッ」
 右手で十七夜月の頭を押さえ、いつも通り深く口付けてやる。お互いについキスに夢中になり気付けば十七夜月の息は上がっていた。
「ンで?」
「シャツ越しに、身体触られて…」
「此処は?」
 十七夜月は再びベッドに横になる。その方が触りやすいのだと十七夜月自身も理解したのだろうか。
 指を頬から首、鎖骨、胸、腹、と落として弱い部分に触れた。
「ぁッ…そこ、も触られた、けど」
「けど?」
 先を促すと十七夜月は苦しそうに言う。でも声だけははっきりと拒絶を示していて、
「そこは、触るな」
「なんで」

「―――お前にも、あの女の匂いが付きそうで、嫌だ」

 そして真っ直ぐに目を見られた。女たらしの異名は伊達ではなかったらしく、慣れた様子で俺の手を取るとそれに口付けた。
「お前にも一樹にも、他の人間の匂いが付くなんて嫌だ。―――許せない」

 だから、と言って俺の胸に触れる。


 ―――と、言う事は、


「其処が1番触られたって、事だよな」
 裏を返せばそう云う事。

「―――それ、は」
「嘘、なんて言わないよな?」
 問答無用で十七夜月の弱弱しい抵抗も他所に手早くベルトを抜きジッパーを下ろした。
「キョン―――…ッ」
「良いか、十七夜月」

 何故だかムカついていた。
 触れられた、と云うことよりもっと、もっと、

「俺だって古泉だって、お前に他の奴の匂いが付くなんて御免だ」
 それとも何か?
「お前はその匂いつけてる方が良いのか?」
「ンな訳、ねェだろッ!!」
 噛み付くようにキスされて痛みを感じれば目の前で十七夜月が睨んでいた。

 ―――あァ、もう、泣きそうなイイ瞳

 唾液に血が混じって沁みた。唇なのか、頬の内側なのか何処か噛み切られたらしい。
「今すぐにでもシャワー浴びたいくらいなんだ! しかも俺、あいつに何されても勃たなかったんだぞ!」
 ―――それは、力説できることかもしれない。感じやすくて、何処に触れても悦ぶくらいなのだから。
「気持ち悪くて気持ち悪くて、お前にも一樹にも同じような事されるのに気持ち悪くて吐きそうで」
「わかった」
「いつもは死んじゃうくらい気持ちいいのに吐き気は酷いし頭も痛いし」
「わかった」
「…なのに何時もされてる手とか、思い出すし」
「わか…?」
「そしたら勃つし!」
 枕を投げられた。
「信じられるか!? そしたらアイツ、さも自分が勃たせたとばかりに得意げになりやがってフェラなんかし始めるし!」
 十七夜月は基本、女性を罵倒することなど数える程度しかないが、こと時ばかりは口汚く低い声で「死ね」といった。
 俺といえばそこまでされていたとは想像できなくて、絶句していた。


 普通保健室でそこまでコトに及ぶか? しかも相手は高校生だぞ?


「…舐められたのか?」
「されたよ、しゃぶられたよ、思い出しても吐き気がするッ!」
 もう1度枕の端を掴んでボスンッと叩きつけた。
 しかしながら十七夜月の怒りも尤もだと思った。
 そして、俺は過去最高にムカついていた。
「―――…十七夜月、文句言うなよ」
「へ―――…?」
 掛け布団を剥いで十七夜月の股の間に顔を埋め、自白しながら感じてしまったらしく先走り溢れる其処を口内に導いた。
「―――キョン…ッ、だ、め…だって、言って」
「うるさい」
「―――…ッひ、ぁ」
 グリグリと舌で割れ目をこじ開けると十七夜月の首が仰け反って、ボタン2つまで開けられたシャツから俺か古泉がつけた紅い痕が垣間見えた。駄目だと言ったその端から十七夜月の手は俺の髪を掴んで、快感に身体を震わせている。

 説得力が、ない
 尤も―――只でさえコイツは快楽に弱く、いつも散々喘がされているのだからこうなるのも予測していた事なのだが。

「ゃ…ッ、キョ、だめ…ッ」

 そしてよくよく冷静に考えてみれば、古泉はコイツに最初の頃啼かされていた、と云うのだから、野次馬ではあるが多少―――本当に多少―――覗いてみたい気がしてくるのは何故だろうか。
 誘い受と変わらないからだろうか。
 …いかん、最近何かにひどく毒されてる気がする。
「キョ、出る…からッ」
 言われてようやく視線を上げてみればかつてないほど十七夜月の瞳は潤み、頬に走る1筋の水が綺麗だった。根元を握って押え、目元に口づけた。
「出していいって、言わなきゃお前は出さんのか?」
「ンん…ッ! キョ、辛、いンだけど…」
「そりゃァ―――…、そうだろうな」
 今手でせき止めてるモノの大きさを見ればそんな事、すぐにわかる。
「出さなくていいのか?」
「…や、だッ」
「なら大人しくしてろ、すぐに終わらせてやるから。な?」
 十七夜月は観念したのか、それとも思考能力が落ち切ったのか特に抵抗することなく頷いた。

「ん、可愛いぞ」

 一瞬嫌そうな顔をしたけれど俺は特に気づいた様子もなく行為に専念することにした。
 根元をせき止めていた手をはずしてやり、下から入念に舌を這わせる。すでに何時イってもおかしくない状態らしい十七夜月の切羽詰まった顔は綺麗で、誘っているようにしか見えない半開きの薄い唇とか、色々なものが煽ってくる。

 額に張り付いた髪、
 俺の頭を押さえる震える手、
 ピンと張った爪先、

 全部全部。

 溝に舌を這わせ、少し歯を立てた。
「―――…ッん!」
 白濁が飛ぶ。
「…随分溜まってたか?」
「馬鹿、野郎…お前らのおかげで俺は溜まることを知らねェよ、高校に入ってからな」
 そう言って顔を腕で押える。
 嗚呼、恥ずかしいのか、と何となくそんな事を思った。

 ―――恥ずかしいだろうか?
 ―――うん、恥ずかしいな、かなり。

 解放の後の心地よい、気だるい視線が此方に注がれる。
 俺はソレを見て微笑んでいたのだが、何を思ったのだか十七夜月は急に身体を起こした。
「ば…ッ、キョン!?」
「なんだ?」
「おま…ッ、俺の精液被っ…」
「ン、―――あァ」
 そう云えば確かに頬とかに飛んでいる。飛んでいる、とか云った生易しい程度じゃないが、別に俺は構わなかった。

 別に、十七夜月のだし。

 だが、十七夜月はそうはいかなかったらしい。肩に手を感じる。そして―――…、十七夜月の指が頬についた白濁を拭い、紅い舌がソレを舐める。
「…キョン、お前も綺麗な顔してるんだからこう云う事、やめろよな。もう口でするの禁止」
 十七夜月の顔が近づいてきて、俺はよっぽどお前の方が整ってる、と思った。十七夜月は膝立ちすると顔を寄せて、俺の頬にまだ飛ぶ白濁を舐め取り始めた。
 俺は、と云えばそれまで舐めてご奉仕していたソレもさることながら、頬を拭う十七夜月の舌と吐息と頬に触れる指の感触全てに欲情していて、若い青少年らしく前を勃ち上げていた。

 ズボンの前がキツイ。

 恐らく十七夜月は丁度その前に膝をついているから俺のがどんな状態になっているのか知っている事だろう。
「―――…ンとに不味…」
 粗方舐め終わってしまうと十七夜月 は自分の頬に飛んだ白濁を指で拭い、赤い舌をだして舐めた。
 俺はその舌の動きに、ちらりと見えるそれに視線が外せなくて凝視してしまう。
「―――…ン?」
「十七夜月…」
 こちらを向いた十七夜月の薄い唇を貪るように舌を入れ込んだ。
「――――…っふ、」
 舌を精液の独特の味が刺激する。
 息が苦しくなったのかどんどん、と胸が叩かれる。
「―――何だよ?」
「なに、じゃ…ねェ、馬鹿」
 仕方なしに解放してやったというのに十七夜月は可愛くない事を可愛い声で、可愛い顔で言う。
「…せっかく古泉抜きだってのに」
「そう云う問題でもねェ」
「―――なんだよ、そんなに古泉の方がいいのか」
「何真面目な顔でアホな事言ってるんだよ」
「――――――…だって、俺だけだと嫌なんだろ」
 少し声が拗ねたようになってしまったか。
 嗚呼、気持ち悪い、気持ち悪い。女じゃあるまいし。
「―――そう云う事、云ってるわけじゃねェの。お前がろくに口も漱がない内にキスしてくるからだろ。せっかく舐めとったのにお前まで苦かっただろうが。…つか俺に淫乱のレッテルを貼るの、やめてください」
 十七夜月の言葉は続いた。
「―――つか、何でン事思ったのよ。俺が2人も相手しなきゃ満足できないとか」
 十七夜月はかなり呆れ気味で、腕組をして問うた。

 十七夜月は顔を赤らめ続ける。
「―――…只でさえ受け入れるのも大変だってのに、2人? 俺、どれだけ体力あるんだっての。…確かに女とヤるよりずっと気持ちいいけどさ」
 こう云うところが可愛いのか、と今更ながらはっきりと認識しなおして。
「―――…それに、お前がずいぶん身体持て余してることも知ってるけどな? え…と、その」
 小さく口ごもる。そして頭を振った。
「―――キョン、どうせ此処までシたんだし、俺も辛いしお前も…辛いよな? その状態じゃ」

 十七夜月の視線が熱を持って、

「キョン、今日は俺服全部は脱がないからな」
 何やら恥ずかしい事を言いきって十七夜月が俺を跨ぐ。
「―――脱がせちゃダメ…?」
「ダメ。ここ学校だし今昼休みだし。学校でヤるのは別に止めないけどいつ人が入ってくるのかわからないから嫌だ」
 止めないのか、と小さく笑って。
 十七夜月のストリップを目の前で見る。濃い目のスラックスを脱いでいく仕草がまず艶めかしい。パサリと服がベッドの上から落ちる。
「―――十七夜月、どのみち此処でSEXしてたら変わらないと思うんだが…」

 決して鍵をかけた事は云わない。

「―――…だって、俺、ここまで煽られたらイくだけじゃ足りないもん…。別にキョンに挿れさせてくれるなら俺、それでもいいんだけど」
「それは遠慮願う」
「………なんでさ」
「俺は挿れられる方じゃなくて挿れる方なんでな」
 ちぇ、と十七夜月は唇を尖らせて肩に手を置いた。そしてそこで大きく息を吐くと腰を落とし始める。

「―――…ッふ、」
「十七夜月声出せよ」
「ゃ…ッ、か、…―――ぎ開いてる…っあ」
 そう云って首に手を回して必死に耐える十七夜月があまりにも可愛くて下から突き上げた。
「聞かせてやれば良いじゃないか」

 勿論一言だって聞かせるつもりはない。

「………ぁ、ッん、あァ―――っ」
「―――…良い声…、」
「やッ…、うご…ぃ、ちゃ、ダメ……ンっ、て…」
「悪いが聞けない願いだ、な」

 火傷をしそうなくらい熱い十七夜月の中が絡み付いてくる。
 中を楽しむ余裕が在れば良いのにそんなもの皆無で、ギリギリまで引き抜いて突き上げるとそれだけでイってしまいそうになる。

「十七夜月…ッ、」
「キョ、ン…っ、も…っイっちゃ…ぁ」
 唇を噛んで声を我慢して、それなのに少し漏れる声を必死に首を俺の肩に埋めて我慢する仕草が可愛らしい。
「イって良いぜ、十七夜月…」
 耳たぶを甘噛みして低く囁くとそれだけで十七夜月は身体をビクビクと痙攣させた。


「も…ダメ―――、キョ……ンっ」
 鼻に抜けるような高い音を出して、十七夜月はイった。
「んん―――ッ」
 つられるようにイった衝撃で何時も以上に中を締め付け、俺も耐え切れず中に白濁を出す。




  *


「……ね、キョン」
 イった後の心地よい倦怠感に身を任せ、昼休みの残り何分を気だるく何もせずに只ベッドに横になって過ごしていた俺たちであったが、俺は十七夜月の言葉に横を向いた。
「どうした、十七夜月。もう身体は大丈夫なのか?」
「―――そりゃ…、ね。高校に入ってから随分慣れたから、身体は大丈夫、だよ、多分。
 ―――って、そうじゃないんだよ」
「だからどうした」
「だからな、キョンってイく時の声可愛いよなって」
 ちょっとしたショックを受けた気がする。
「―――なんですと?」
「だから可愛いよなって」
「…俺、疲れてるのかも…」
「キョン、そんなに現実逃避したくても無理だぜ?」
 頬に手を添えられた。

 頬に背に冷や汗が流れる。


「キョン、今度立場交換しようぜ」


 ニヤリと笑った十七夜月を見て、背筋が寒くなった。寒くなったのと同時に酷く妖艶なその仕草に身体のどこかが酷く疼いた。


 ―――出来ればそんな日は到来してほしくないと、
 昼休みの終わりを告げる鐘の音を聞きながら切実にそう思った事は言うまでも無い。

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