04



いつもの様に、旦那に頼まれた団子を買い、ついでに城近辺の林を見回りながら目指していた時だった。

…いや、うん、戦忍が団子を買って来るのがいつもの様になっちゃいけないんだけどね?

出来ればそこには触れないで欲しいかな。


…まぁともかく見回ってたら、絶対に一回見たら忘れない印象の濃い人が突っ立ってたわけ。


(あれは…明智光秀…!)


通り過ぎようとしてた足で目の前の木を蹴り、その反動で明智の近くの枝まで飛んで行く。

なんだって明智がこんな所に?

どうやらぼけーっと立っている訳でもなく、辺りを少し見回している様だ。

そして手に持った白い袋を見つめる。


アレは何だ?
新しい発破か何かか、…どうもあの変態が持ってると人の魂に見えて仕方がない。

だってあの変態なら出来そうじゃない?

まぁそんな事は置いといて、本当に発破で、それを仕掛けようとしてるんだったら始末した方が良いな。


明智が手を懐に入れた瞬間、俺様は一瞬で背後に回り地面に押し付けた。

どうやら息が詰まったらしく、喉からは詰まった声が聞こえる。


「アハー、なぁんでこんな所に尾張の変態が居るわけ?」


顔にだけ笑みを浮かべ、皮肉を込めた言い方をすれば、明智は目を丸くする。


あれ? なんか反応おかしくない?


普通…ていうか、いつもの明智だったら、

「これはこれは…酷い事を言うお方だ。 武田の猿ですか、油断しましたねぇ」

とか

「あぁ…っ、痛いですねぇ。 バレてしまったものは仕方ありません、ここで死ぬのもまた一興」

なんて言いそうなモンなのに。


…ていうか、頭ん中で明智の言いそうな事言ってたらこっちが恥ずかしくなったんだけど、どうしたらいい!?

特に、「あぁ…っ、」の部分!!

 


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