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「というか、動いた所為でブレましたねぇ…。 動かないで下さい」

「動くな佐助ェ!」

「動くでない佐助!!」

「え、何ソレ俺様の所為なの? ていうか“ぶれ"って何! つか二人共なに乗っかっちゃってんですか!!」


言いたい事を我慢した佐助になんていう仕打ち。

三人がかりで責められるが、全くと言って良いほど責められる言われは無い。

大体言っている意味も分からないというのに、このダブル上司は何を言っているのか。

佐助がそう思ったかは別だが、とりあえずそれに近い事は思っていたのかわなわなと体を震わせている。

そんな佐助に気付いているのかいないのか。
完全に無視して秀晶に近寄った幸村は、ひょこりと携帯の画面を覗き込む。


「なっ! 中に佐助が!」

「え、嘘? 俺様が?」

「秀晶よ! 儂にも見せい!」


大の男四人が小さな画面を顔を寄せ合って見る姿は、天井から見ている忍にはなんとも奇妙なもので。

だが自分も見てみたいという欲求もあり、どうにかここから見えないものかと身をよじった。


「中に小さき佐助がおるわ…」


楽しそうにニヤける信玄に。


「…これ、俺様の魂とかじゃないよね? 吸い取る絡繰りって訳じゃないよね?」


引きつった笑顔で秀晶に詰め寄る佐助。


「こ、ここから出してはやれんのか? なぜこの佐助は動かんのだ?」

「写真ですからねぇ。 出す事は出来ませんよ、消す事なら出来ますが」

「け! 消すとは何事かぁあっ!!」


意味を取り違えて拳を握り締めて立ち上がる幸村。

そしてそれを聞き、顔を白くさせて携帯を奪い取る佐助。

まぁまぁと二人を宥める秀晶は三者三様の反応を楽しんでいた。


いくら自分が携帯を使いこなす事はあまり出来ないと言っても、どういう機能か仕組みかぐらいは分かっている秀晶。

それを全く知らない人にとってはまさに未知の道具で恐怖なのだと、今身をもって体験する。


「猿飛殿、それを返して下さい」

「無理! これは俺様が預かるから。 これで何するか分からないしっ」

「…どうせ使い方も分からないでしょう。 教えて欲しかったら返して下さい」


そう言えばムムッとした顔をしてチラリと信玄を伺い、渡すように頷かれしぶしぶ返してきた。

少し意地の悪い事をし過ぎたかと反省するが、まぁ良いかとその携帯を受け取り、無事か確認する。


 


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