上一、R-18
3万打記念!



















口の中で動くプラスチックに吸い尽くような舌の動きが面白い、と上条は口角を上げた。喉のほうまでかき回されたのか赤い瞳に涙を溜める自分の恋人を心配する反面、なけなしの理性を刺激されて更にいじめてしまいたくなる。
「ふ……ァ、う…」
「もういいよ、十分濡れてるし」
名残惜しいと言わんばかりに口から離れるものを追いかける舌が何ともいえない背徳を感じさせて背筋が震えた。上条は自分のどうしようもない性癖に気付いていたが、名前すら知らないし治す気もなかった。一方通行が悦んでいるかどうかの自信はないが、それでも止められない衝動があるのだ。
「…いっ、ァ…!」
「大丈夫だから、力抜いて」
右手に持っている濡れた玩具が一方通行の体内にゆっくりと入り込んでいく。今まで溜めていた涙をこぼしながら歯を食いしばる姿はきっと自分しか見たことがないのだろう、という優越感に浸る上条。神経が高ぶり強引に入り口を広げる、小さく悲鳴が上がる、その反応を悦ぶ。一方通行のことが嫌いなのかと聞かれれば即答でノーたろうが、それでも、楽しかった。


「…ンゥ…上条、あンま……焦らすなよ…」


俺は本当に最低の人間だと、上条は奥歯を噛み締めた。こんなことでは、一方通行に嫌われたとしても言い訳すらできないだろう、と。ただ、そう思っていても自分を止められないことを唐突に理解した。現に一方通行の苦しそうな顔を見れば少しの前戯でちゃんと慣らせていないことはすぐに分かるのに、性器をあてがって鼓動を早める自分が何だか情けなかった。
「ゥ…あ、…あァッ…!いっ…」
痛い、と。
そう言おうとした口を自分の手で抑えて一方通行は目を瞑った。ゆっくりと奥へと進みながら痛みが増していく感覚は今まで味わったことのない不思議な気持ちにさせる。

やめてしまえば楽だと分かっているのに、このままでいたい。

(滑稽、だなァ…こンなの馬鹿げてる)

「一方通行…大丈夫か…?」
今まで絶え間なく与えられていた痛みはもうなく、その代わりのように頬に触れる上条の手が暖かかった。一方通行の細い肩は荒い呼吸のせいで上下に動いている。


「ごめんな、痛かっただろ…」
「だい、じょォぶ……」
「無理すんな、今じゃなくていいから」


情けないな、とできるだけ表情を変えずに一方通行は思った。上条の性欲を処理してやることができないなら、いつか捨てられてしまうのではないか――それが怖くて堪らなかった。しかし、それは一瞬で打ち消される。すぐ目の前にあったブルーがかった瞳が優しそうに細くなり、


潤んだ唇が重なった。




20120401SUN


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