気が付いたら時間は流れていくもので、上条の寮に一方通行が行くことも増えていった。何度も手を握り、キスをして、一緒に過ごしたが、まだ初々しい反応を見せることも多い。
「…ン、むっ……」
上条の舌が一方通行の薄い唇の間を割って侵入する。苦しそうに乱れる息が身体の温度を上げる。混ざり合った唾液が口の端から零れて顎を伝いシーツを濡らした。すると、すかさず上条が動く。一方通行の服の中に手を忍ばせて、何かを探るようにゆっくりと撫で回したのだ。今まで触れられたことなどない部分は生暖かい掌の感覚に反応して、身体全体がびくっと震えた。

「上条…やめ、ろ…!」

上条の服を掴む一方通行の手は震えて、必死にしがみついている。赤くなった顔を見られないように俯いているが、髪の間から見える耳まで染まっているのであまり意味を成していない。
「一方通行、大丈夫だから…落ち着いて」
上条の優しい口調が響く。それが一方通行のプライドを逆撫でしたが、ここは大人しくしとおくことにした。
「まだ…無理…」
気を付けないと聞き取れないような声はしっかと上条の耳まで届いていた。だから、一方通行の細い身体を抱き寄せて背中を撫でてやる。


「まぁ、また今度な」


そのときのことを想像して上条の身体を意識してしまうが、考えを振り払う。今はキスだけでいっぱいいっぱいだった。

だって、2人はまだ結ばれたばかりなのだ。


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