平和だ。頭の中では季節はずれの桜が咲き乱れるレベルでの、深刻な平和ボケが起こっていた。こたつは暖かいし、部屋の中は静かだし、もうこれは寝るしかないだろうと一方通行が横になった。
「え、寝んの?」
「……ン」
なんだよ、と言いながら上条もテーブルに突っ伏してしまう。膝をたたんで肩までこたつに入り込もうとする一方通行だったが、さすがにそれはできなかった。上を見上げてもテーブルの上のマグカップは見えるが、上条までは見えない。小さく舌打ちをしてみるが、聞こえなかったらしい。
「上条のこと…好きなのかもなァ…」
口に出してみたら自分でも予想以上に気色の悪い単語だと思う。でもその反面、本当に好きなような気がしてくるから言葉とは恐ろしい。

「なぁ、今の…ほんと?」

どうせ聞こえないだろうと思って言ったのに。


言葉にしてみた


(……何で聞いてンだよ)


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