(あ…、上条…)
数10メートル先に学生服を来ている見慣れた人間がいた。自分にはないものを当たり前のように振りかざす憧れの存在。いつも知らないところで傷ついているらしい少年。ヒーロー。一方通行にとって打ち止めとは違う形で、ある意味において心の支えになっている人物だ。その少年はどうやら今日も自分の信念に従って行動しているらしい。
(迷子を幼稚園まで届ける…ねェ…)
一方通行からしてみれば、考えられない行動だった。きっと自分は泣き喚く子供の目の前を顔色ひとつ変えずに通り過ぎることだろう。しかし、上条はきっと声をかける。こんなタイプの人間は損をするというのが一方通行の持論だったが、ここにきてその考えが揺らいできてしまった。
上条が笑顔で先生らしい女性と別れると振り返って一方通行のいるほうに歩いてきた。なぜか建物の影に隠れてしまう一方通行。気付かずに通り過ぎていく上条当麻。チラッとその後ろ姿を見てみると、他人と何が違うのかよく分からないが逞しい。気がする。


目撃してみた


(どこまでもヒーロー…!)


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