いいの、いいの。ザンザスが行きたくないなら仕方ないわ。
私だけ行くのもおかしいじゃない。ベルもいるし、きっと楽しい日になるわ。・・・私だけ行った方が、ザンザスは嬉しくないんじゃないかしらね。わからないわ。彼とは長くいたつもりだけど、これだけは彼の問題だから。あの人、悩み相談ってしないでしょ。少なくとも私にはしてこなかったから。フォアグラと貴腐ワイン?コーヒーの前に飲むの?それとも前菜として?ザンザスは、ああ、駄目ね。いなかったわ。・・・寂しい訳じゃないの。ザンザスも居たらもっと楽しいのに、て私は思っちゃうの。ルッスーリアとは毎年楽しくナターレを過ごしているでしょう。家族との折り合いが悪くて、ナターレもあんまりだったから。でも、私が楽しいからって、ザンザスが楽しいと思うとは限らないしね。ちゃんと帰ってきてくれれば、それだけでいいのよ。だって、去年なんか、彼遅くに帰ってきて枕元にプレゼントを置いてくれたの。私嬉しくて、サンタクロースみたいねって言っちゃった。嫌そうな顔してたけど、仕事先で私の事を思い出してくれたんだって。今年はザンザスに何をあげようかしら。去年は革靴にしたの。スーツはいらないわよね、彼、最近も自分で買ってたし。
これ?可愛いでしょう。ナニーの手作りなの。小さい頃はナターレ近くになると、ナニーがパッチワークでリースを作ってくれたり、ベッドカバーも作ってくれたりしたのよ。もうすぐナターレなんだって、わくわくしたわ。家族でナターレの食事をするよりも、ナニーとシェフと食べるのが好きだった。・・・ザンザスがどう思っているかわからないけど、その日くらいは穏やかな気持ちになって欲しいって思っちゃうの。私のエゴかしら。





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