12.8.18 Sat 22:18

「おののく、って漢字でどう書くか知ってますか、北村?」
「おののく、って恐れおののくってこと?さあ」と僕が答えると、まったくこれだから、と西嶋は舌打ちし、棒を動かすと、「慄く」と砂に書いた。「もしくは」とその下に、「戦く」とも書く。
「それがどうかしたのか」
「ってことはですよ」西嶋が小刻みに首を揺すった。西嶋の身体はお世辞にも締まっているとは言えず、胸や腹の贅肉が震えた。「戦う妹子って書いたら、おののいもこ、って読めるわけですよ」と真顔で言い、戦妹子、と棒で書く。
「はあ」
「凄いでしょうに」
「残念ながら凄くないよ、西嶋」


伊坂幸太郎さんの『砂漠』より。


ここを読んだ時に日和好きの友人を思い出し吹きました。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -