小説 | ナノ
声にならない
 ふわふわな長い耳。まあるい尻尾。
 そんなものが私についているはずがないのに、この状況は一体なんだと言うのだろう。夢でも見ているのかな?
 夢なら早く覚めて欲しい。けれども、長い耳も尻尾も、幾ら引っ張ったって痛いだけで、ちっとも夢は覚めない。
 姿見の前で絶叫をあげようにもまるで最初からなかったみたいに私の声帯はかすかすの声にならない声を漏らすばかり。
 いったいどうして? 私が何をしたというの?

 誰か、誰か助けて――真琴先輩!


「江ちゃん!? うさぎになっちゃったって本当っ!?」
 バンッと扉を壊す勢いで私の部屋に入ってきた真琴先輩は顔面蒼白だった。
 私のメールを見て、家から自転車をとばしてきたのか、彼の身に纏うシャツは汗びっしょりで今日も素敵な筋肉にぴっとりと張り付いている。普段なら私も大喜びな光景なのに、今日ばかりは全然喜べず、下から先輩を涙目で見上げる。
 頭からシーツを被ってベッドの上で座り込んでいた私を見た真琴先輩は心配そうにベッドの上に這い上がり、ぎゅっと抱きしめてくれる。
 汗の匂いが混じった先輩の匂いを過敏な嗅覚が感じとり、強張っていた身体の力が抜けた。安堵の溜息を漏らしながらぐすぐすと鼻を鳴らして彼の大きな身体にしがみつくと、彼は幼子を慰めるようによしよしと頭を撫でた。
「江ちゃん……」
「っ……」
「こわかったよね、不安だったよね」
 真琴先輩のやさしい声が私を安心させてくれる。
 ほうっと震えた息を吐き出すとくすぐったかったのか、彼が身じろぎをする。
 涙を目いっぱいにためながら先輩を見上げると、彼は頬を赤く染めてにして一度目を逸らし、また私を上から照れた顔で見つめる。なぜ彼がそんな表情をしているのかちっともわからない。けど、彼の表情の意味なんてわからなくても、ひとりで不安に震えているより、彼がそばにいてくれたほうがずっと良かった。
 やっと落ち着きを取り戻した私を見て、抱きしめていた腕を緩め、気まずそうに口を開いた。
「江ちゃん、うさぎになっちゃったって言ってたけど……あんまり変わらないよね? 本当にうさぎになっちゃったの?」
 先輩が疑問に思うのも無理はないだろう。だって今私は頭からシーツを被ってて、うさぎの象徴とも言える耳を隠しているのだから。
 声が出ないから、代わりに頭を縦に振る。
「……シーツ、取るよ?」
 私の考えを汲み取ってくれた彼がそう言う。それに応えてひとつ頷くと、彼はごくりと喉を鳴らし、ゆっくりとした手つきで頭に被っていたシーツを取った。
 ぱさりとシーツが落ちる音を聞き、思わず目を瞑る。こんな姿になってしまって、もし、先輩に気持ち悪いとか、不気味だとか、嫌われるようなことがあったらどうしようと嫌な考えが思考をぐるぐるとかき混ぜた。
 後ずさる音が聞こえたらアウト。抱きしめてもらえたらセーフ。そんな馬鹿な選択肢をふたつ用意して、自分が傷つかないように自衛する。
 しかし、いつまで経っても彼はその用意していたふたつの選択肢のどちらにも行動を移さない。
 あれ? と思ってそろりと目を開けると、先輩は真っ赤になって固まっていた。
(まこと、せんぱい?)
 声は出ないから口パクで彼の名を呼び首を傾げる。足れた長い耳が頬にかかって少しくすぐったい。
 私の仕草にようやく我に返った先輩はわたわたと慌てて口元を手で覆った。
「ごうちゃん……あの、不謹慎だけど……あんまりにも可愛くて……その、ごめん……」
 何がごめんなのだろうか。謝罪の意味が理解出来ずまた首を傾げる。けれど、先輩に引かれたわけじゃないとわかっただけで一安心だ。
 先輩はうろうろと視線を彷徨わせた後、意を決したように口を開く。
「触っても、いい?」
 耳のことを言っているのだろう。
 そりゃあ、もし、先輩にこんなものが生えてしまったら私だって触って確認したくなる。あ、先輩にうさぎの耳が生えたらかなり可愛いかも。
 どうぞどうぞと先輩が触りやすいように頭を前に倒して差し出すと「し、失礼します……!」と上擦った声で手を私の耳へとのばした。

 ふにふに。
 先輩の大きな手が遠慮がちに私の大きな耳に触れる。付け根から耳の先っぽまで撫でるように触れたかと思えば感触を確かめるようにやわらかく握られると妙な感覚が全身を駆け巡りビクリと身を竦ませる。
「あ、ふわふわ。きもちい」
「……っ、」
「本物、だね……」
 こしょこしょと内側をくすぐられるように撫でられるとくすぐったさに似た快感がぞわぞわと肌を粟立たせる。耳を触られてるだけなのに、変な気持ちになってしまう。どうしよう、なんでだろう。でも、きもちいい。からだが、あつい。
 はぁ、と吐息に熱が孕む。
 内股がむず痒くてもぞもぞと足を動かす。ベッドのスプリングが小さく鳴った。
「江ちゃん……?」
 様子がおかしい私に気付いてしまった先輩が熱っぽい表情を隠すように俯いた表情を窺おうと下から覗き込む。
(だめ、がまんできない)
 再び潤み始めた視界をそのままに顔を上げ、ぐすりと鼻を鳴らすと先輩の表情が変わった。

「江、もしかして……」
 したくなっちゃった?
 先輩の声が蜂蜜みたいに甘ったるくなった。彼が私のことを呼び捨てで呼ぶときは、そういう時だと彼と共に過ごした時間がすぐに理解させた。
 緑の瞳の奥で欲がゆらゆらと揺らめいている。その瞳を見た瞬間、下腹部がきゅう、と切なく鳴いた。


 ちゅ、ちゅ、とリップ音が静かな室内によく響く。
 やわらかく唇を食み、先輩の舌が口の中に入ってくると私ははやくはやくと自ら舌を絡ませる。普段なら恥ずかしくて絶対こんなに積極的になれない。けれど、今日ははやく気持ち良くなりたくていつもより大胆になってしまう。
 うさぎは年中発情期ってよく聞くけど、もしかして、これがそうなのかな?
 全身が熱くて、ほてって、お腹の奥のほうがうずうずして。先輩が欲しくて。
 舌と舌を擦り合わせて先輩の唾液を啜りごくりと喉を鳴らす。
 私が息継ぎするために一度唇を離すと先輩はくすりと笑って後頭部を撫でた。
「そんなに慌てなくても、いっぱいきもちよくしてあげるから。ね?」
(そんなこと言われても、我慢出来ないんだからしょうがないじゃないですか……)
 ぷくりと頬を膨らませて拗ねる仕草をしてみればまた彼はくすくすと笑いを漏らす。かと思えば、今度は噛み付くように唇を奪われてしまい思考はずぶずぶと深い海の底へと沈められた。
 さすさすと長い耳を愛撫され背筋にぞくぞくと悪寒に似た快感が駆け上がる。
 さらりと首筋を意味深になぞられ、寝間着用に着ていた水色の薄い水色のワンピースの上から胸を揉みしだかれる。基本的に先輩はいつもやさしいけれど、不器用なところがあるせいかえっちの時の手つきは少し荒っぽい。ちょっと痛いぐらいの力で揉まれるけど、それがきもちいいって覚えさせられてしまったから、もう私には普通の触り方ではあまり感じなくなってしまった。先輩の、この手つきじゃなきゃ。
「っ、はぁっ、ふぅっ……」
「んっ、ごう、きもち?」
 はむっと耳を甘噛みされビクリと身を震わせながら必死に何度も頷く。
 よかった、とうれしそうに笑う先輩が可愛くて、鼻先にちゅ、と口づけると先輩は顔を真っ赤にさせて「反則」とそのまま私をベッドに押し倒した。
「……っ!」
 その瞬間お尻に痛みが走った。慌てて横を向いてワンピースの上から奇妙にぽこりと膨らんだしっぽを撫でる。
「え、ああっ! ごめん! しっぽもあるんだね……」
 痛みに涙目になりながらこくりと大きく頷く。ごめんね、としょんもり眉尻を下げながら先輩の手がしっぽを撫でて耳よりももっと強い刺激が私を襲った。
「〜〜っ!」
「……ここ、きもちいいの?」
 喉をひきつらせながら掠れた音にならない喘ぎがこぼれる。
 びくびくと身体が跳ねてしまい、少し恥ずかしい。
 ころころとまるいしっぽを撫で回しながら先輩は私の肩を押してうつ伏せに寝かせる。意図がわからず、振り返ってみると先輩は「しっぽ痛いみたいだから、今日はこの体勢ね」とにっこり笑った。
 この体勢は恥ずかしくて苦手だ。おしりの穴も、全部丸見えになってしまうから。
 ぺろんとワンピースを首もとまで捲り上げられて背中がひやりとする。
 寝起きのままだったから下着はパンツしか履いてなくて上は凄く無防備だ。さっき胸を揉まれたから先輩はもうとっくに気付いていただろうけれども。
 いつも先輩とえっちをする時は絶対上下揃った可愛い下着をきちんと身につけて、服も気を遣ってお洒落しているせいか、今日の格好はあまりにも無防備で恥ずかしい。
 羞恥心に心を捕われている間に、いつの間に覆い被さってきたのか、突如背中に襲ってきた刺激にじわりと下着を濡らしてしまう。
 肩甲骨沿いに唇を落とされ、舐められ、甘噛みされる。
 先輩の熱い吐息が素肌に触れ、それすらも気持ち良い。いつもの強い刺激とは違った穏やかな刺激だが、そんな刺激に慣れてない身体はいつも以上に敏感になっていてつい背を反らせてしまう。
 しっぽの付け根から首筋まで一気にべろりと舐められるとそれはひとたまりもなかった。

「――っ! ふ、はっ、はぁーッ……」
 敏感になりすぎた身体はびくびくと震え、ただ背中を舐められているだけだというのに軽く上り詰めてしまう。
 へたりと力なくベッドに伏せ、はふはふと息を乱していると先輩の腕が腰に周り、お尻だけ高く上げられる。
 恥ずかしくて、いやいやと頭を振りながら先輩を見上げれば彼はまたにこりと笑う。あ、これは先輩、意地悪スイッチ入っちゃってる。
「バックが嫌なら、江が上に乗るしかないけど、どうする?」
「〜〜っ」
 私は上に乗って自分が動くのも苦手だった。先輩のためなら、と何度かしたことがあるけど、先輩のそれが奥までずっぽり入ってしまうと気持ち良過ぎてすぐに動けなくなってしまう。それに、気持ち良くて泣きじゃくる顔を下から見られるのはとてつもなく恥ずかしい。
 それだったら、まだバックで先輩に気持ちよくしてもらったほうがお互いのためだ。
 そう自分に言い聞かせて仕方なく枕に顔を埋めると、先輩がご機嫌をとるように頭を撫でてくる。
(こんなのでほだされちゃうとか……私、本当に、先輩に弱いなあ……)
 先輩の熱い指先が下着にかかり、するりと脱がされる。全部脱がせる気はないのか、膝辺りで脱がせるのを止めた先輩はその熱い指先で私の疼いてやまないそこを滴る愛液を塗り付けるように触れた。
 決定的な刺激を与えられなかった身体はたったそれだけで気持ち良くなってしまい、すぐに先輩の大きなそれが欲しくなってしまい腰をゆらゆらと揺らしてしまう。
 振り返って、口パクで「はやく」と言えばきょとりと欲に塗れた緑の瞳を丸めた先輩は「でも、まだ慣らしてないよ? いいの? もう欲しいの? ごう」とどこか意地悪めいた口調で言う。
 こくこくと頷き、先輩の熱くて固いそこに腰を押し付ければ「まったく、ほしがりなんだから」と茶化すように笑った。ずるい。先輩がずっと焦らしてたから、欲しがりになっちゃったのに。
 責任を全部先輩に押し付けながらよく聞こえる耳でベルトのカチャカチャとした音を聞く。
 たらりとまたそこから愛液がこぼれおち、シーツに染みを作った。

「ごう、挿入れるよ」
「っ」
 ぬるぬるとした先端が入り口をかき混ぜ、私が頷くと、一息にそれは奥深くまで押し入った。
 やっと与えられた快感に背を反らせると目尻から涙がぽたぽたと垂れた。
「はぁっ」
 熱い吐息が首筋にかかり、ぎゅっと後ろから抱きしめられる。きもちいい。しっぽが先輩のお腹に当たって、少し痛いけど、それすらもきもちいいからもう私は手遅れだと思う。きっとこの先、先輩以外の男の人に抱かれることはないだろうけど、先輩じゃなきゃ気持ち良くなれない。
 きゅうきゅうとナカを締め付けて、はやく動いて、と言外に媚びればそのままの体勢でぐりぐりと奥をかき混ぜられ、何とも言い難い苦しい気持ち良さが私を襲う。
「っ、ふぅっ、ふ、っ」
「はあ、江のなか、すごい……いつもより、俺の締め付けてくるよ」
 そういうこと言わないでください!
 いつもならそう泣きじゃくりながら言えただろう。
 しかし、今日ばかりは出来なかった。与えられる気持ち良さに喘いで、内側に籠る熱を発散したいのに、私の喉は音を紡がない。
(真琴先輩に好きって言えない)
 その事実を改めて認識した瞬間、涙が溢れた。
 おとぎ話の人魚姫もこんな気持ちだったのかな。幼い頃お母さんに読み聞かせてもらった童話を思い出すと増々胸が締め付けられた。
 ぼろぼろと大粒の水滴は頬を伝い、顎を伝い、枕に落ちて濃い染みを作る。
 ひっくひっくとしゃくり声をあげ、本格的に泣き始めると、先輩は慌てたようにまた私を抱きしめてくれた。
「ごう、どうしたの?」
(せんぱい、すき、すきっ。好きって言いたいの)
 私は遙先輩じゃないから、きっとわかってもらえない。さっきまでは身体でなんとかどうして欲しいって表現出来たけど、好きって気持ちは身体では表せない。
 ぐずぐず枕に顔を埋めて泣いていると、突然ぐいっと顔を先輩のほうへと向けられる。
 真剣な先輩の眼差しが私を見下ろしていて、どくりと心臓が高鳴った。
「ごう、すきだよ。もし、もしもね、江がこのまま戻れなくなっちゃって、うさぎになったとしても、俺は江のことが好きだよ」
 ――だから泣かないで。

 声が出なくても、私が何を言いたいのか、わかってくれた。
 私は遙先輩じゃないのに、真琴先輩はきちんと私の気持ちを汲み取ってくれた。
 ああ、やっぱり、私にはこの人しかいない。
 好きが涙となって溢れて、衝動的に先輩の唇に、自分のそれを押し付けた。
(もっと、もっと伝わって。私、先輩が好き)
 ぺろりと唇を舐め、開いた隙間から舌を滑り込ませ、絡ませる。私が泣いているせいか、しょっぱい味がする。
 突然、ずくりと下腹部に刺激が走った。
 先輩のあれがまた一段と大きくなって、私の内壁を擦り付ける。
「は、はぁっ、江、ごう、」
 唇を離すと、先輩は私の腰をがしりと掴みぱんぱんと派手な音を立てて腰を打ち付けた。気持ち良さにぐずぐずになりながらその刺激を甘んじて受け止める。
「っ、〜〜っ!」
 結合部からふたりの混じり合った愛液がこぼれおち、私の太股を濡らすのがわかった。
 不意に、しっぽを掴まれ、雷に打たれたかのような快感が全身を駆け巡った。
 瞼の裏がちかちかして、星が見えそうなぐらい。どくどくとナカで先輩のそれが脈打って、奥が熱い。
「はぁっ……はぁっ……ごう、」
 先輩が私の上に倒れ込む。重たい。でも、これは幸せの重みだ。
 意識がすぐさま夢の世界へと引っ張られる。
 長いふわふわの耳に先輩の唇が寄せられ「すき」と紡がれたことを認識したことを最後に私は完全に意識を飛ばした。


 あたたかな体温。滑らかな肌。私のだいすきな筋肉に私のだいすきな真琴先輩の匂い。
 寝ぼけた思考のまま、ぴっとりとくっついたその大きな身体を弄る。あれ、随分とリアル。
 そう思った瞬間、夢見心地だった思考は一気に覚醒し、ガバリと私は身を起こした。
(ま、まことせんぱい!? あれ、え、あ、そうだ、私うさぎになっちゃって……)
 どのぐらい眠っていたのだろうか、朝からカーテンを閉め切ったままの室内は随分と暗い。壁に掛けてある時計を見ると時刻は十五時を示していた。
 朝起きたら、うさぎになっちゃってて、ビックリして、こわくなって、真琴先輩にメールして。
(先輩が家に来たのが、確か十一時過ぎで、それから……)
 つい先ほどの情事のことを思い出してしまって、顔に熱が集まる。
 そういえば、私も隣で眠りこけている真琴先輩も、服を着ていない。
「んっ……江ちゃん……? 起きたの……?」
 あわあわとシーツを引き寄せて肌を隠そうとしていると隣で眠っていたはずの先輩がモーニングコールしてきた時のような寝ぼけた掠れた声を漏らした。
 眦の垂れた目をぱちぱちと瞬きしたかと思えば、先輩はハッとしたように目を見開きガバリと勢い良く身を起こす。
 驚いて思わず身を引こうとするけど、先輩に両肩を掴まれて逃げられない。
 何事かと目を瞬かせていると、肩を掴んでいた先輩の手が頭に添えられる。
「江ちゃん、耳、なくなってる」
「へ!?」
 喉からいつも通りの私の声が漏れたことに驚いて、喉元に手を押し当てる。あ、あ、と声を出してみると確かにそれは音と鳴って鼓膜を震わせた。
「声、出る」
 喉を抑えていないもう片方の手でそろりとおしりを触れば、そこにはまあるいしっぽが跡形もなく消えていた。
「先輩! 私、元に戻ってます!」
「うん! よかったね、江ちゃん」
 真琴先輩が大きく手を広げたので、私はそのままその胸に飛び込むようにして抱きついた。
「先輩、真琴先輩!」
「なあに、江ちゃん」
 大きな手が頭を撫でてくれる。
 大きな耳も、おしりに生えたまあるいしっぽも、もう無い。
 声も出る。先輩にだいすきって言える。
 うれしくて視界がぼやける。
 やっと、ちゃんと、先輩に言える。私の気持ちが、私の声で、先輩に、伝わる。

「真琴先輩!」
「うん?」
 逞しい胸に埋めていた顔を上げて、先輩を見上げる。
 先輩は春の木漏れ日みたいに眦を下げてやわらかく微笑んだ。
 その笑顔も、素敵な筋肉も、やさしい手つきも、乱暴なところも。うさぎになっても好きだよって言ってくれる先輩も。全部全部。

「だいすきです!」



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