太陽よりも雲が好きで、月よりも星が好きな彼女
そのひとは誰よりも優しくて残酷な女神だった
流れ星を啄む
不器用な天才
ごめん、愛してる
無意識に孕む熱の暑さに恐怖した
女は寂しそうに微笑んで、さよならと言った
優しい言葉より抱擁を
進む私と留まるあなた、少しずつ空いていく絶対的な距離
この胸を濡らす涙が君の為ではないように
死してなお高潔を失わず
何故と問うた貴方に、答えを返せば納得するのですか
言葉など返らないことを知りながら、愚かにも彼は何故と泣き叫ぶのであった
嫌いなのは退屈と憂鬱と無意味
誰がこんなことを望んだのだ
手紙をヤギに託すような愚か者だから
月影の鎮魂歌
あの子か私かそれともお前か
朽ち縄を噛み千切る
世界は無能と有能と非常識で出来ている