バベルの悲劇

《事件》



11年前に金西にあるバベルの街で起きた大規模な火災のこと。

数十ヵ所の工場で溶かした高温の鉄が流れ出し、周りの施設に引火。
街を囲むように火が広まり、真夜中であった事と要塞のような街であったため逃げ道が限られていたのだが、その逃げ道にも火の手が回り、町民は逃げ切れず全員死亡。

今や街は煤だらけの廃墟と化している。街の中を吹き抜ける風の音が、まるで街が泣き叫んでいるように聞こえ、とても不気味。


数十ヶ所から熱した鉄が漏れだすなんて有り得ない事から一部からは天(神)へ近付きすぎたバベルへの天罰だと囁かれている。


一般的には事故とされているが、実際は水北のある宗教が引き起こした事件である。

神への信仰心が高い彼等は、生命を造る事は神だけの特権であり、生命とは神によって与えられた時に初めて誕生するもの。人間が人間を造るなど言語道断としていた。

あまりにも人間に近付きすぎたバベル製キリングドールの存在は神への冒涜とし、キリングドールを産み出すバベルの住民を罪人とされた。

以前から神への冒涜だと警告し続けていたのだが全く相手にされず、痺れを切らした彼等はバベルの罪の制裁として火炙りの刑を下す。

罪を悔い改めないバベルに死という罰を与えたのである。


また彼等はバベル製キリングドールの設計図を所持し、バベル製キリングドールの弱点を知る唯一の存在である。





|


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -