give | ナノ



僕ではない。


マルコジャンルカ
切ない



(僕ではない。)





君が好きだ。

サラサラな黒髪、
可愛い鼻、
真っ赤な唇、
透き通ったブルーの綺麗な瞳。

全部好き。

なのに、何一つ、僕のものではない。

こんなにも、君を愛し、見ているのに何故??
何故、君はチラリとも僕を見てくれない?
何故、君の視線はいつもあの人に釘付けなの…?


「ジャン!!!」


映えた緑色が綺麗に揃うグラウンドの上、大好きな君の名前を呼んだ。
その理由は、君と少しでも一緒にいたいから。


「なに??」
「準備運動しよっ!」


大きく手を振り、合図を出すが君は少し戸惑った様な表情で後ろを一瞬振り返り首を縦に振ってくれた。
首を縦に振ってくれたのは嬉しいけれど、その前者の行動がズクリと僕の胸を刺した。


「…、早く!」
「あぁ、うん。」


君の視線の先。

茶色のフワフワの髪を愉快にはねらせて
ブルーの瞳をキラキラさせている、

僕らの副キャプテン。


「ジャン? どうしたの?」


僕はその事を知っているけれど、あえて知らないフリをするんだ。
だって、知らないフリをすれば、


「いや、なんでもないよ?」


君は、一瞬だけだけど僕だけの笑顔を見せてくれるから。

いつもは、あの人に見せている笑顔を。


「やろうか、マルコ。」


一瞬だけ、僕のものになる。




End



きな様へ
大変遅くなりました。すいませんでした!!
マルジャンて切ない系です。
お気に召していただいたら幸いです。
これからもよろしくお願いします!!

まちあ。






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -