短編 | ナノ




(松半+風丸 ※風丸の扱いが酷い)
   2部構成
 ※前作Orange marchをお読みになって下さい。





「なんで?」


なんで?
なんで?
なんで、君は半田と一緒にいるの?


「……まつ、の、」


握りしめた手が力無く僕の手を揺らした。


「痛、いよ。」
「……」


弱々しい声が聞こえる。
少し力を抜いてあげた。


「マックス、離せよ。」


ムカつく。
ムカつく ムカつく ムカつく。
なんで、お前に、風丸にそんなこと言われなくちゃならないの?

そんな自分勝手な考えが僕の脳裏を支配する。
緩めた手に前以上の力を加えた。
半田の細い悲鳴が耳を掠めた。


「やだ。」


半田は、僕のものだ。


「うわっ…ま、松野??!」
「おいっ!! マックス!!!!」


また、ムカつく声だ。

僕は、半田をぐいっと自分の方に引き寄せた。


「煩いっ! 半田は僕と買いに行くんだっ、」


目の前にいる風丸の顔がキョトン、としている。
僕の顔も熱が帯びているのが解る。


「ま、つの…?」
「煩い。ほら、行くよ。」


僕は顔を見られないように半田の細い腕を引っ張りながら自動販売機に向かった。


「へ? あ、うん、…うわっ…ま、松野?」
「…。」
「松野ってばぁっ」


半田は引っ張られながら、僕の名前を何度も呼んできた。


「ねぇってば!!」


煩いなぁ。


「ねぇー」
「………………なに。」



自動販売機の前で、半田の方を向くと半田は真ん丸の茶色かかった目で僕を見ていた。


「腕、痛いんだけど…」
「…だから?」


半田の方を向きたくなくて、プイッとそっぽを向いたまま自動販売機にお金を入れた。
チャリン、と情けない音が響く。


「あ、俺、コーラね。」


半田が下の段に並んでいるコーラを指差した。
ちょっとしゃくに触るけど僕はコーラのボタンに指を置いた。


「……ねぇ、松野。あのさ、やきもち妬いた??」


僕の指はコーラのボタンを離れ、その上に並んでいるオレンジジュースのボタンを力強く押した。


「あっ…!! 俺、コーラだよ??! オレンジジュースじゃないよー…」


知らないよ、そんなの。
半田があいつと同じものを飲むのがいやなだけだ。

半田はオレンジジュースの缶を二つ抱きながら口を尖らせていた。


「そうだよ。」
「え、わざと??」


僕の手は、腕から手に移動していた。
きゅ、と優しく握る。


「嫉妬してる。」


君は目を大きく開け、オレンジジュースをぎゅと抱きしめていた。
チャリン、とお釣りが返ってくる音がした。


「…ばかじゃないの…」


そうだよ、ばかだ。

君が僕以外の人といると地球で1番自己中になるし。
君をどうしょうもなく困らせたい。

だから、君が僕以外の人と同じものを飲んでいるのも気に食わない。

どうしようもないくらいに、君が好きなんだ。


「ばかは半田でしょ。」
「はっ??! なんで??」


君の腕に抱かれたオレンジジュースの缶は仲良く寄り添っていた。




「「あ、コーラ買うの忘れた。」」




End


うーん…よく意味がわからないな。








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