短編 | ナノ




(※松半+風丸 風丸の扱いが酷い)
   2部構成




「やったぁ、半田の負けー!!」
「よろしくな、半田。」


俺は、チョキの形をした自分の手と目の前でケラケラ笑っている二人のクラスメイトを見比べる。
はぁ、なんて不運なんだ。


「うぅ… また、俺かよぉー…」


これで、俺が昼食の飲み物を買い出しに行く(行った)数はもううん十回目になる。
自分でもなんでこんなにジャンケンに弱いのか不思議になるくらいだ。
はぁ、と一つ溜息をつき、俺はケラケラ笑っている友達、松野と風丸に何が飲みたいのかを聞いた。
まぁ、聞かなくても何十回も買いに行っているから大体は解るのだが…。
きっと、松野はオレンジジュースで、風丸はコーラだろう。


「僕はねぇ、オレンジジュースっ」
「俺は、コーラ。」


ほらね。


「わかったー… はぁ、」


なんだか、情けなくなる。
聞かなくても二人の好きな飲み物がわかってしまうとか。
何回も行っているからしょうがないのだが…。
俺はトボトボと教室のドアに足を向けた。
と、ドアの取っ手に手をかけた時、後ろから聞き慣れた声に名前を呼ばれた。


「半田っ、」


この声はきっと風丸だ。
俺は、まだ注文があるのかと思い、少し怪訝そうな表情で後ろを見ると(やっぱり)風丸がスタスタとこちらに向かって歩いて来ていた。


「なに、風丸。なんか、買ってきてほしいの?」


俺がそう聞くと、風丸は眉を八の字にして苦笑しながら違うよ。と首を横に振った。


「俺も一緒に行くよ。」
「……へ?」


俺は、その予想をしなかった答えに少し理解するのに時間がかかった。
そして、再度 え? と風丸の方を向きなおすと風丸はもう既に廊下に出ていた。


「おい、行かないのか?」
「え、ちょ、ちょっと待ってよ。」
「ほら、早くしないとお昼終わっちゃうぞ??」
「え、でも、……なんで?」


1番、疑問に思っていたことを風丸に聞くと風丸はキョトンした顔で俺を見てきた。
あれ、なにかまずいこと言った…??


「なんで…って…そりゃ、…」


風丸がポリポリと頬をかきながら、口を開こうとした時。


「なんで??」


風丸とはまた違う声が後ろから聞こえた。


「なんで? なんで、半田と一緒に行くの? ねぇ、なんで?」


声の持ち主を風丸は眉を潜めながらじっと見ている。


「なんで?」


がしりと腕を捕まれた。

目の前では、ピンクと青のニット帽がユラユラと揺れていた。




To be continue....


Orange march


続きます\^o^/








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