あと、ちょっと (大学生パロ) ぴぴっ ぴぴぴぴぴ 朝、大きな音で叫ぶ目覚まし時計を乱暴に止め、目を覚ます。 「ん…んぅ」 まだちょっと寝ていたいのを我慢し、重い身体を無理矢理ベッドの上で起こして、隣にいる恋人を起こしにかかる。 「くう、空介。空介、ったら。」 案の定空介は、ムカつくくらいにリズム良くスースーと寝息を立てて寝ている。 何度かゆさゆさと体を揺らしてみるが、やっぱり起きる気配はなくて。 「もぉー… くーすけっ!!」 ポカンと一つ、頭を叩いてやった。 すると、空介は一瞬体をビクリと揺らしたがまたすぐに寝息を立てはじめた。 全く、これじゃあ、拉致があかない。 「学校、遅刻しても知らないからな!!」 俺は空介を起こすのを諦め、朝ごはんを作ろうとベッドから床に足を降ろそうとした瞬間、低い声が俺の名を呼んだ。 「しん……いちー……」 やっと、起きた。 「何?」 「こっち、きてよ………」 なんだ、一体。 リビングに向かうはずだった体を空介の方向に向かわる。 「空介? もう、朝だよ?」 「しってる… 真一………手」 手?? あぁ、引っ張れとでもいうのか?? それなら、と手を空介に差し出した。 「……うわっ」 引っ張ろうと腕に力を入れた瞬間、腕は俺の行きたい方向へは伸びず、真逆の方向へ伸びた。 「…ねむいー……………………」 俺の体は、気づいたら空介の胸の中にあった。 上からは、またスースーと寝息が聞こえはじめる。 「空介ぇ…」 トロン、と朝の空気が俺達を包み始めた。 瞼もそれに比例するように重く、閉じてくる。 あぁ、もう無理だ……。と思った瞬間には、布団と空介の温もりがちょうど良く混じりあい俺は意識を飛ばした。 君の体温も、この睡魔も、 まだ、ちょっとだけ、一緒にいよう。 End |