短編 | ナノ



お似合いっこ




「みてみて、半田ー」
「んー?」


今日は面白いものが手に入ったから半田に見せてあげる。


「ぱっちん留め?」
「せえーかい!!」


僕の手の平の中には、ピンクの花がついたぱっちん留めがちょこんと握られている。


「どうしたの? これ、」
「半田につけるために、女子から借りた。」
「は?」


びっくり発言に半田は顔をぐにゃっと歪ませた。
思った通りのリアクション。


「ね! だから、大人しくしててね。」
「ばっ やめろ!!」
「うるさい。」


数十秒の格闘の末、勿論、僕が勝利を勝ち取った。


「半田が今まで僕に勝てたことないでしょ。」
「うぅっ…」


半田の前髪にはちこんと、ぱっちん留めがついていた。


「うわぁー…、半田、めちゃくちゃ可愛いー」
「嘘つけ、」
「嘘じゃないよお」
「もう、とる。」
「あ、ダメ!!」


僕は前髪に手をかけた半田にパンチを入れる。


「うげっ てめぇ!」
「とろうとしたからー。……にしても、半田、ほんとに可愛いー」
「うっさい。」


半田はぱっちん留めをつけられた屈辱とパンチでぷりぷりと頬を膨らませて怒ってしまった。


「半田っ」


でも、そんな半田も可愛くって。
思わずやっちゃうんだよね。


「!!!」


可愛い半田に愛しのキス。


「僕のために今日、ずっとつけててね!」
「ふざけるな。」


ほら、好きな子ほどいじめちゃうってヤツ。


End












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