短編 | ナノ



水温2℃




バシャバシャバシャと冷たそうな水が洗面所を跳びはねている。

勿論、その犯人は、あいつだ。


「おい、風介。」
「……なんだ、」
「水。飛び散らすな。」
「………」


無視かよ!!?

風介は俺の注意を完璧なまでの無視をしてまた水を飛び散らせながら顔を洗い出した。


「てめ、風介!! …うおっ!!」
「なんだ、さっきからうるさいな。」
「うるさいな。じゃねーよ!! 水が、飛んできたぞ??!」
「……」


また無視かよ!!

俺の部屋着は風介が飛び散らせた水がかかり、びっしょりと濡れてしまった。


「てっめー…!!!」
「はん。こんな近くにいるのが悪いんだ。」
「はぁっ??! ふざけんな!!」


ここまでくると流石の俺もキレるぜ。


「どけっ あほ風介」
「なんだと?!」


風介は『あほ』と言われ、やっとこっちを見た。

それを待ってたんだ!!

俺は洗面所の冷たい水を手に一杯掬った。


「とりゃ!!」
「うわっ お前!!」


それを風介に頭からぶっかけてやった。


「何するんだ!」
「てめぇもかけただろーが。」
「あれはわざとじゃない!」
「はんっ、しらねーし。」
「お前っ!! 仕返しだ!」


バシャッ


「おまっ!! そりゃ」
バシャッ
「また、やったな??!」」
バシャッバシャッ!!


突然、始まった水のかけ合い。
まぁ勿論、洗面所にはびっしょりと大量の水が。
しかし俺らはそんなこともお構い無しに水をかけ合っていた。

のが、悪かった。


「もう、やめろっ!! はるや…うわぁっ」


バシャーン!!!!


「………」
「…………」


風介が、水に足を取られて勢いよく床に尻餅をついた。


「…ぶっ」
「わ 笑うな!!」


風介は物凄く顔を赤くして目を逸らしてくるのが余計に面白い。


「おまっ お前のせいだからな!!! うわっ」
「しらねーってば! ぎゃははははは!!!」


風介はぶつぶつ怒りながら立とうとしているが、水のせいで立ち上がれないらしくツルツルしていた。


「うぅっ…」
「お前が悪りぃんだからなー。ほら、よ」


流石にもう泣きそうな風介をほおっておくのは可哀相だから手を出してやる。
風介は、いかにも悔しそうな顔をしながら渋々手を握ってきた。


「あほんだら!」
「はぁっ?!」



やっぱり、あいつは
やっぱり、あいつは

ムカつくんだ。!!




End












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