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愛してるのカワリに


進撃の巨人(エレン×リヴァイ)


オレは15歳で、あの人は30歳
オレは新人兵士で、あの人は人類最強兵士
オレは身長170cmで、あの人は160cm(この事に関しては全く関係ないとあの人は言っている。)
オレは大雑把で、あの人は潔癖症
オレは感情的で、あの人は冷静沈着
今、思い付いたものだけでもオレとあの人はこんなにも違う。経験値も、背負っているものも全て違う。
だからこそ不安になるのだ。これでいいのか、と。オレなんかでいいのか、と。


「リヴァイさん」


オレより10cm程低い位置にある唇からゆっくり自身の唇を放した。それから目を開くとどこか遠くを見つめているオレの愛しい恋人、基リヴァイ兵長がそこにいた。
何時からかオレたちは恋人同士になっていた。そこには情熱的な出会いやロマンチックな告白が会ったわけではない。お互いに自然に惹かれ、自然に一緒にいるようになり、自然に体を重ねるような関係になった。
最初のうちはそんな摩訶不思議な関係でさえも良いと思っていた。そんな関係で少しでもリヴァイさんと繋がりが出来るのならばそれでもいいと。むしろ、オレなんかにとってはそれが本望ださえと。
だが、気付いてしまったのだ。
オレばかりが求めているのではいけないことに。
それは違うのだということに。
それからはあっという間だった。
まるで押し寄せる波のように不安が覆い被さってきた。払い除けても払い除けてもそれは粘りついてきた。
まるでオレから空気を奪うように。


「あ、の、リヴァイ、さん」
「…」
「…、リヴァイさん」
「…うるせぇ。」
「…」
「…………なんだ」


だから、決めたのだ、
不安から逃れるために。


「あの、もう、止めましょう…」
「なにを」


苦しまないように
息ができるように
自分を生かすために


「この、関係を…止めましょう…」


逃げる選択肢を選ぶことに決めたんだ。


「だって、不毛ですよ。お互いがお互いにこんなにも干渉せずにいるだなんて。何を、求めあっているのか、ちっともわからない…」


一気にそう捲し立てるとリヴァイさんは冷めた瞳を一つオレに寄越した。
その瞳は今まで見てきたリヴァイさんの瞳の中で一番に冷めていた。
ただ、その瞳は今まで見てきたリヴァイさんの瞳の中で一番にオレを見ていた。


「俺は今までそう感じたことは一切ないが。」


そして、その冷めた瞳のままリヴァイさんは言葉を放つ。


「昔も、今も、お前は俺を求めていたんじゃないのか?なあ。エレン。」


冷めた瞳は冷めたまま。
だが、リヴァイさんはニヤリと口角を片方上に持ち上げ笑った。


「俺のために、死ね」


やっぱり、あの人とオレは何もかも違うんだ。

年齢差は二回り近い。
階級は二回りどころか百回りくらい離れている。
性格も正反対。

でも、それでも惹かれあってしまうのは何故なのだろう。

それでも貴方のために死んでみせたくなるのは、何故なのだろう。

それが、オレらの愛の形。

それが、愛しているの代わりの言葉。




end









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