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僕の幼馴染み



いつか君が言っていた。


「僕にしか見えない幼馴染みが居るんだ」


何故かその言葉を思い出した。死ぬ間際だというのに。自分に対しての愛の言葉だとか労りの言葉だとかじゃなくて、他人を思っている君の言葉(しかもかなりの電波発言)。けれど何故かそれが一番自分達には合っているような気がした。愛の言葉でも労りの言葉でも感謝の言葉でも応援の言葉でも日常の言葉でもなく、他人を思っている言葉が。
僕は静かに目を閉じた。早く痛みを忘れてしまいたい。君を抱きしめもしたいけど。それは今は必要がないみたいだ。
隣で泣いている君を優しく支えている君にしか見えない幼馴染みがいる。今更になって、僕にも漸く見えたよ。君にしか見えない、幼馴染みが。


「ヒロ…?」


ごめんな、ヒロ。
僕も、君に対しての言葉は出ないみたいだ。


「見えたよ、幼馴染み。」


でも、解っているんだろう。


「ミヤビ… …うん…」


相手を思いやるその気持ちが僕を思っていて、君を思っているんだ。


「ミヤビ」
「君は、ミヤビ?」
「僕は、幼馴染み」
「ヒロの、幼馴染み」
「だから、」


死ぬのに。


「笑って?」


僕の頬には一筋の泪が伝った。














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