SSS | ナノ
■01月28日 01:37


ああ、気持ち悪い。


どうしてこんなにも気持ち悪いのだろうか。むせ返るような激しい嘔吐感が僕を襲った。それに反抗するように僕は自分の口元を強く押さえ付ける。喉を駆け上がってくる胃酸とそれから、僕の口から絶え間無くこぼれ落ちる二酸化炭素がでないように。両手で強く強く押さえ付ける。行き場を無くした胃酸と二酸化炭素は僕の喉と口内を行ったり来たりしていてその移動が繰り返される度に僕の嘔吐感は益々酷くなり息苦しさも一層増して死にそうになる。まあ死なないんだけど。それは経験上知っている。どんなに嘔吐感が僕を襲っても息ができなくなっても僕は死なない。僕に取ってその行為が何よりも快感だから。いや、それはちょっと違うのかな。息苦しくなることはやっぱり僕も一人の人間な訳で大好物は酸素だから大嫌いだ。でも僕はそれを行わないと僕が望む快感は得られないから仕方がない。僕が望んでいる快感はそんな大好物を我慢してまで得るものに等しいからね。

僕は目の前で泣き叫んでいる君をみて自分の中心に血液が集まってくるのを感じた。


「もうやめてよぉお、おぉおおぉ」


君の泪が床に落ちる度にドクン、と血液が僕に集まる。熱い熱い血液が全身に廻って廻って廻って。僕の小さな目は限界まで見開き、僕の汚い手はふるふると痙攣を始め、僕の狡い口は胃酸をごぽりと吐き出し、僕の情けない自身は白を一斉に撒き散らした。


「ねえ、キスしてよ。」


ごめんなさい。
こんなふうでしか君を愛せなくて。
でもこんな愛しかたしか僕は知らないんだ。
自分を自分で傷つけないとどれくらい君を愛しているのか証明できないんだ。
そこに愛の意味はないんだけど。

いつか僕を僕が殺してしまう日が来るとしたらそれは僕から君への最高の愛情表現で愛の形。



僕の伸ばした手が君の唇にに触れた。
僕の胃酸がぽたりと君の泪に雑ざる。
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