任務出



「え」



やはり爆弾投下は流行っているらしい。

オレが自分の部屋で刀とか拳銃とかを装備している時、ラカールとチトセが入ってきた。そしてその第一声のおかげでオレは硬直。ありがとう。嬉しくないけど。


ちなみに現在は夜。真夜中。ぐっすり仮眠をとったオレはいまから出勤の準備。出勤で合ってるのかわからないけど。取り合えず出勤だ。



「ごめん、もう一回お願いできますか」

「だからね、ソラ。今回の任務にリャク様も参加するんだって。」

「ミントからの情報な」



やっぱり実感がない。ていうか組織討伐にボスも参加するものなの?てゆか研究のボスが参加しちゃうの?ボス自らがやるほどなの?

装備しおわって、お馴染みのコートを羽織る。

このコートのデザインは泣けるくらいにシンプルで、ウノ様が「一体感があるといいよなっ」とノリノリでナイトに言ったから生まれたらしい。ラカールとチトセもコートではないが、このデザインのものを着ている。



「うっそだー」

「ちなみにリカとサクラも」

「なんという豪華な…」

「ツバサが関係してるみたいだよ。よくわからないけど」



ラカールとチトセが手を握ってオレを集合場所である談話室に誘導する。


広い談話室にいたのはリャク様とリカとサクラはもちろん、ミント、シングとミルミだ。リャク様はいつもの白衣ではなく、黒いコートを羽織っていた。コートの内側の腰には拳銃っぽいものを装備していた。拳銃じゃない気がするけど、拳銃というのが一番しっくりくるかもしれない。



「あ、来たな」

「来ましたね」



シングとミルミがオレたちに気が付く。リャク様に挨拶をしてからシングたちのところへ行く。

シングたちといた方が気が楽だからだ。リャク様の容姿こそは少年だけど、なんだか近寄りがたい雰囲気がある。さすがボスっていうところ?
ていうか時々、本当に時々、僅かにリャク様の周りにピリッと電流が走った。オレの能力があれだから見えたのかもしれないけれど。
あれは何だろう。


やっぱり考えることは苦手だ。というか自分で考えて出てくる答えじゃない気がする。



「揃ったか」



ふつ、とリャク様が呟いた。

ミントはなにか苦い表情をしていて、拳を強く握っていた。
どうしたんだろう、と少し心配になって声をかけようとしたが、遮るように「では行きましょう」とミントが強い瞳をもって言った。