Getting up
なんか胸騒ぎがして布団から身体を起こした。寝起きで、ぼーっとする頭をスッキリさせようと洗面所で顔を洗う。そこから出るとルイトがイヤホンを外してるところが目入った。 話しかけようと口を開いたがルイトの声が先をとる。
「わり、」
ああ、声が五月蝿いんだっけ。
イヤホンをつけなおすまで待った。他はまだ寝ている。ジンの脚がルイトが寝ていた場所に無造作になげられていた。シングは苦しそうな顔をしていて、汗でびっしょり濡れていた。
「もう大丈夫だ。って、ソラ?」
「ああ、うん。シングが心配になって。ルイトはジンの脚に起こされたの?」
「まぁ…。相変わらず寝相が悪くて敵わねーよ。」
「幼馴染み?」
「そうそう。ま、寝相が悪いっていう点ではソラも変わってないみたいだな」
なぜか枕が消えたオレの布団をみながらルイトは困ったようにして笑った。
そして携帯のバイブの音がしてルイトははっとし、携帯をみた。
「サクラが集まれって。……ナナリーがやられたらしい」
「え?」
「詳しいことはまだわかんね。行ってくるっ」
上着を羽織ってルイトは急いで駆け出して行った。それから少し経ってレイカが携帯のバイブで起きた。ルイトと同じ様な知らせが届いたらしい。
「え、う、嘘っ!?」
その声に、寝ていたシングとミルミが起き上がった。まだ朝の5時だ。ジン以外が起きて、レイカも急いで身支度を済ませて部屋を出ていった。
「な、なんだ…?」
汗で濡れた髪をかきあげながらシングは驚いている。オレが軽く話をすると、シングとミルミは顔を見合わせた。
「ナナリーさんが?な、どうしてでしょうか…」
「可能性としては『黄金の血』か、魔女か、治安組織、他の敵対組織か第三者の仕業だろう…。情報がない。医務室へ行こう」
「……待って」
立ち上がったシングにオレは静止の声をかける。
今、視界が……いや違う。空間がぶれた。ゆらりと揺れた空間はテレポーターのミントが現れることでおさまった。空間の揺れはたぶん、良眼能力のおかげで見れたと思う。
「ナナリーさんがソラさんとシングさんを呼んでます、って、汗かいてますよ!?大丈夫ですか!?」
ミントがあわあわと慌てだすのと反対にシングは冷静に「気にするな」と落ち着かせた。 寝ていたジンもこの騒ぎにさすがに目を覚ました。
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