補佐込み集会





各ボスが集まる集会が今日も行われていた。
ツバサの代わりにリカが新しく加わった集会に補佐も出席している。リカはツバサが座っていた椅子に座ることを拒み、椅子の横に立っている。

彼女は背が低いせいか、彼女を見るとき見上げなければならない、という事はない。



「昨夜、ここら周辺を歩き回っている男女各一名の未成年者を発見しました。恐らく『黄金の血』ではないかと。」



サクラがそれぞれの手元に紙を配りながら部屋全体に行き渡る声で言った。その紙には画像が貼り付けてあり、その下には文字がズラッと並んでいた。カノンが組んでいた腕を解いてその紙を読んでいた。



「彼らが現れたことはなにかの前兆ではないのかと思います。――――その画像の下にかいたものは、『黄金の血』に所属する人名と異能です。」



リカは紙を見せるようにして文字の部分を指差した。ナナリーがはい、と右手を挙手してから喋った。



「この情報、どこで手にいれたの?」

「ツバサだ。奴は確実に『黄金の血』に身を潜めている。ソラが今ここにいるのは奴が脱出に手をかしたからだ。」

「ツバサが……。裏切ってないっていうこと?」

「そういうことだ。だが、『黄金の血』の誰か一人でも殺せば敵側になる、と。」

「ツバサと『黄金の血』の関係がわからないわ。」



ナナリーの問いにリカが答えているとウノの補佐、ナイトも参加した。
その返答はリカでもサクラでもなく、意外にもカノンがした。



「『黄金の血』のほとんどが多重能力者で結成されている。多重能力者が存在していたのは過去だ。故に奴らが過去からこちらへ来た可能性が高い。それは知っているだろう」

「はい」

「不死はそれほど昔にも存在していた。過去に接触があったとみてよいだろう。」

「あ、ちょっ、ちょっと待ってよカノン様!」



今度はなんだ、とカノンは慌てた自分の補佐であるエテールを見た。エテールは一度深呼吸してゆっくりその口を開く。



「ツバサって多重能力者なんですか?」



エテールのそれにウノが「そういえばその可能性があるな。考えてなかった…」と小さな声で言っていた。カノンは察しろ、とでもいうような目をしていた。



「奴は多重能力者だ。」



そう言い切ったのはリャクだった。何か嫌な記憶でもあるのか、顔をしかめている。