風呂ネタ
「ね、三人でお風呂入らない?」
オレが自分の部屋に押し入れられたときのシャトナの第一声がそれだ。レオは一瞬フリーズしてから「なんでだよ!!」とツッコミをいれた。
「裸の付き合いよ。それにソラ疲れてるでしょ?お風呂入って疲れをとるのが一番だと思うの!」
「はあ?」
「それにお風呂って聞くと私も入りたくなったし、どうせならレオもって」
「なんで異性なのに」
「別にオレは性別とか気にしないけど。」
「小さい頃何回も一緒に入った仲じゃない」
オレも会話に参加。シャトナ寄りで。
確かにオレは疲れてる。けど、どうしても眠る気がしないのだ。ちょうど風呂に入ろうかと考えていたし、タイミングがいい。 それに異性なんて気にしない。男女の体格差なんてたいしたことない。オレが男装しても気づかない人が居るんだし。
二人だけで入るより三人の方が盛り上がるだろうしね。
レオは最終的にシャトナに連行されるかたちで風呂へ向かった。 ここのボスだったツバサは和を好んでいたらしく、大浴場なんて作ったみたいだ。それぞれ女湯、男湯とあり、次に混浴だ。シャトナはそこへ向かい、到着したころレオは諦めて脱力していた。
シャトナが普通に目の前で脱ぎ始めてレオがビックリしたり、オレとレオの筋肉の付き具合の話題になったりと脱衣室だけで時間をとった。
いざ風呂に入ればシャトナがいろいろちょっかいをかけたりしてレオがため息をつく。
この二人はあえて"呪い"が刻まれた左腕をみないでじゃれていた。別に触れてほしい話題ではないし、リアクションに困るからこれでいいかな、と思う。
「ねえレオ!私とソラどっちが大きいと思う?」
「「は?」」
胴体にバスタオルを巻いた状態のシャトナが湯船の中で立って胸をそらした。オレは両腕を湯船の縁に預け、手をダランと下げたままシャトナを見上げた。レオはすぐに察したようで、「バカか」と赤面することなく言った。この年頃の男子なら嬉しいシチュエーションだろうが、レオは慣れてます、という空気を漂わせていた。
「身長と体重ならソラだろ。」
「違うわよ、胸、胸!」
「ソラって俺より身長高いけど何食ってるんだよ」
レオに無視されたシャトナが拗ねてお湯の中に顔を沈めた。そしてなにか思い付いたらしく、顔を外に飛び出させた。
「答えないと今度は女湯に引きずり込むからね!?」
「シャトナの方が大きいと思う。」
レオは即答。
オレはレオをじっと観察し、レオなら女湯に入ってもバレないかもしれない、と考えていた。男の中では細い方だと思うし、そのくらいの身長なら女でもいそうだ。第一その顔が女っぽい。
そのままレオに伝えたらレオは顔を真っ赤にして「うるさい!!」とオレを怒った。
気が付けば疲れがさらにたまり、眠気が襲ってきた。だから風呂を出、オレの部屋の前で解散した。
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