深青事件






毎晩毎晩

オレは人を殺していた

自分が生きるために

"呪い"の束縛は僕を苦しめた

僕はどうして呪われたんだっけ

ぐる、ぐるぐ、るぐるぐるぐる

まわるまわる

自分の記憶

ゆっくりゆっくり思い出す

自分の記憶

耳を澄ませば、波の音が

目を閉じればあおい世界が

僕の手で火の海に

僕の手であかい世界に

私のわがままで消し去った小さな世界

求めていた

みんなと同じ感情を

みんなと同じじゃないと怖かった

生まれた環境では

私だけがみんなと違っていた

みんな優しくしてくれた

けど私は怖かった

僕は怖かったんだ

手のひらを反されることが

わかっていた

みんな、私にだけ

表面だけの態度だった

裏では私のことを嫌っている

だって、私だけ違うもん

みんな白いのに

私だけ黒いんだ

私を心から好きでいてくれたのは

お父さん、お母さん

お姉ちゃん

近所に住む幼馴染み

両親はなんの前触れもなく僕の目の前から消えた

事故だってさ

けど私は悲しくなかったの

みんな泣いてるのに

心から泣いてるのに

嫌だ

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

私だけみんなと違うところを

これ以上増やさないで!!

みんなと同じに…っ!!

このときすでにオレは狂っていた

死んだ人が二人だけだから、

足りないんだ

もっと多ければいいんだ

殺そう殺そう

いっぱい殺して、殺して殺した

あれ?

まだ足りない?

じゃあもっと

もっと殺してみよう

いっぱい殺した

島の人、死んじゃった

島?

オレは島に居たの?

そうだよ、僕は島に居たんだよ

あとはお姉ちゃんだけ

大切な、大切な

大好きな大好きな

お姉ちゃんだけ

捜そう、捜そう、捜そう、捜そう、

居ないよ居ないじゃん

どこに隠れてるんだろう



???

私に向かって歩いてくる人がいる

あれはだれ?

見たことない

島のひとじゃない

殺す必要がないみたい

じゃあ無視

あ、つかまった

私、しらない人につかまった

バカだなぁなんで逃げなかったんだ

僕は逃げれたはずだよ

逃げなかった理由、

それはきっと