深夜の騒動






バタバタと忙しなく動くのはリカが纏めることになった情報だけではなかった。
リカから突然ソラが帰ってくる、という報を聞いた暗殺を仕事にしているウノたちも忙しくさせた。もともと眠らないウノは眠っている自分の部下を全員起こした。
ナイトだけは書類整理をしていたから起きていたが他は爆睡だった。

ウノの書斎に集まったのはシャトナとレオとナイトだ。他にラカールとチトセ、勇人がいるのだが、まだ到着していない。

影を揺らしているシャトナはもうすぐで成人する女性だ。
レオはルイトと同じ歳の男だ。少年と青年の間くらいという微妙な年頃だ。

二人はいつも一緒に行動している。



「眠いよねー」

「そりゃ深夜だから…」



眠そうにシャトナとレオはゆっくりとしたペースで話をする。聞いてる側が眠たくなるようなペースだ。

ナイトは「しっかりしなさい」と二人にコーヒーを出すが二人ともそんな苦いものは飲めない。

ラカールとチトセ、勇人が同時に部屋に入る。
ラカールとチトセは目覚めがよく、すっきりした表情。
いつも通り浴衣を着ていて、サイドの高い位置で結ぶ勇人は結び目にお面を付けるのを忘れていない。
名前は男性のものだが勇人はれっきとした女。真っ白い浴衣と無表情が冷たい雰囲気を放っている。



「憎いわ…。どうしてラカールたちはあんなにスッキリしてるのよ…」

「たしかにー。わけわかんねー」



まったりした口調はかわらない。
ちなみにレオの起きた瞬間5分は最高に機嫌が悪い。シャトナだけは優しくするのだが。



「ウノ様、全員集まりましたよ。」



ナイトが全体を見渡してからウノに言うと彼は



「ソラが帰って来るそうだ」



となんの脈絡もなくそう伝えた。
それはソラが世界を越えて来る前夜と同じだった。そしてその時と同じようにシャトナがいち速く反応し、そのシャトナに反応したのはレオだった。



「ソラが帰って来るの!?いつ!?どこ!?」

「痛ぁっ!」



さっきまでまったりしていた空気はどこへやら、レオは被害を受けながらシャトナを宥めた。
勇人は「……光の反射」と呟き、ラカールとチトセは両手を合わせて喜び合う。それぞれが喜ぶなか、ウノは「ちなみにツバサは引退した」と何気なく言った。それはを拾ったシャトナとレオは「は!?」と驚愕した。

ウノの説明と他の驚愕した声がただ響き、愉快な深夜となった。