ちょっとの遊び心から
- - - - - - - - - -


一方指令室内


連日革命続きで久々に二人っきりで落ち着いて話せる焔羅と華蓮やっぱり仲良く話していた。



「でさ…」

「そうなんだー♪」


他愛の無い話を続ける二人。しかしそれが楽しくて嬉しい二人の光景は見てて何とも微笑ましく、一部のひねくれた奴共にはイラッとくるモノだった。


そして、そのイラッとくる奴等からのイタズラが始まる。




「それでなー」

「うん。」









「こんにちは♪」


「……………ん?」


シュッと言う風を斬る様な音がして気がつけば座っている焔羅の膝の上にいつものポニーテールをほどき紫色の髪を靡かせている十闇が座っていた。

その光景に二人は黙り込み、暫くしてから焔羅が


「……………十闇?なんでこんなところn

「何のことかな?十闇って誰?十子だよ?」

…いや、それ女装中の名前だr

「髪をほどいたら十子なんだよ!焔羅。」

……………はぁ。」



「ってなワケで、華蓮って言ったけ?こんにちは♪」

「あ、こ、こんにちは…」


突如乱入してきた十子もとい十闇にパニックになる二人。

清々しい程の十闇のキャラチェンジにツッコミすら儘ならない。


そして更に困惑する言葉を一言。




「華蓮ーオレ達とっても仲良しなんだぁ♪だから、───────しゃしゃり出ないでね?」


「何だよソレ!!」

「……焔羅。」

「ん?蒼か…って…だから何だよその顔!!?」

何故か開けっ放しの指令室の扉の前には今にも泣きそうな蒼が居た。


「ヒドイッス焔羅…俺のことは一体……このろくでなしの人でなしー!!!ッス!」


「だから何だよソレー!!もう俺ツッコミ入れるの疲れた!」

「ほ、焔羅…?それって一体…」

「華蓮も本気にすんな!!」




「む。どうした?両手に花だな」

パニクる指令室。そこに仕掛人もといイヨが入ってくるが、そんなの知らない焔羅が



「何が花だ。オイ、十闇をどうにかしろよ!」

「何のことだかさっぱりだ。私はケーキ食べるからお前に構ってる暇は無い」

フォークを片手にパカッと冷蔵庫を開けながらイヨが言った。


「このっ…どいつもこいつも調子乗りやがって…!!」


能力発動『重力操作』!!

遂にキレた焔羅が自身の能力を発動させる



「ふぇっ?」

すると焔羅の膝に勝手に座っていた十闇が浮き


「うわぁっ!?」


「ちょ、コッチ来るなッス…ぎゃあっ!!」

もの凄い勢いでソファーの後ろに居た蒼にぶつかった。



「いたた…何コレ焔羅って重力しか操作出来ないじゃん!縦にしか重力って変えられないのに何で!?」

「俺が知るかッス!」


「なーんも簡単なコトだぜ?」


「「あ、」」

なんていざこざしている間に目の前には怖いぐらい綺麗な黒い笑みを見せている焔羅が。二人は蛇に睨まれた蛙の様に動けない。



「十闇の重力に合わせて空間の重力を0.5秒ずつ変えただけだ。まぁテメー等には何言ってるかさっぱりだろうなぁ?あぁん?つーワケで…」


掌を広げ、右手を高く上げる。
すると二人は気付いたのか「やめ、」、「ちょ、」、「だから…」、「ホ…焔羅さん?」と小さな声で同情を求めた。



が、

「潰れやがれ!!」



ミシ…ズンッ!!

手を降り下げたと同時に、十闇と蒼に多大な重力が乗っかった。


「ぎゃー!!!」

「骨がミシミシ言ってるッス!!ヘルプ!ヘループ!!」


「うっせぇ!!!」



しかし焔羅の能力は確かに強大な力だが故に扱いが難しい。
一点の重力を強くしてもその周りの重力にも影響してしまう時がある。


今回の焔羅はキレているのでコントロールなんて知ったことじゃない。
だから十闇と蒼以外にも影響してしまっている。



……………イヨとか。






ガタガタガタガタッ

焔羅の重力操作でテーブルや台所にある食器が揺れる

「全く、焔羅は能力の使い方がなってないな。」

そんな中、今まさにイヨはケーキを食べようとしていた。

しかし、



ズンッ!

「ったく…って、あっ!」


さっきより大きい重力がイヨのところにまで及び、よろめく

そして持っていたケーキの皿が落ちて…


グシャッ!!!

「!!!!」


盛大に潰れた。