一周年おめでとうございます!
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能力者で作られているとある革命組織に所属している鈴芽の部屋にはソラが訪問していた。
そしていつも通り彼氏の鈴芽をからかったりしながらまったりと過ごしていたらコンコンと扉をノックする音。

クセッ毛が酷い頭をいじられて少し困っていた鈴芽はラッキーと思いながら扉を開けるとそこには器用に片方の手には大きめのお盆に乗せた皿とフォークとティーカップとティーポット、もう片方の手には何かが入った箱を持ったイヨがいた。



「どうした?」


とりあえず重たそうに見えたのでイヨが持っていたティーポットとカップを持ってあげながら鈴芽が訊く。


「十闇がケーキとシュークリーム焼いたから持ってきた。要らないなら私が全部食うぞ」

「いる。」


そう言ったのは鈴芽…ではなくソラだった。











「ソラ、この前十闇のケーキ食べてみたいとか言ってただろう?それをアイツに伝えたらせっかく今日ソラが来るんだったらで、3時に合わせて作ってくれたんだ。」


テーブルに箱と皿とフォークを置きながらイヨが簡潔にソラに説明した。


「あとでお礼言っとかないとな…」

「ソラがお礼とか珍しいな」

「どう意味だよ。」

「いえ別に、なんでもありませんっと…紅茶淹れたぜ」

「ありがとう、鈴芽」



軽く鈴芽に会釈してイヨはケーキの箱を開ける。
そこにはちょっと高めの店で売られている様なチョコケーキと苺のショートケーキとシュークリームがそれぞれ3つずつ、綺麗に並べられていた。



「すごっ…なんか今回は一段と気合い入ってねぇか?」

「そうか?毎回こんなのだぞ。ソラが何のケーキが好きか解らなかったからとりあえずよくあるケーキとシュークリーム作ったとさ」

「さっそく食べて良い?」

「あぁ。十闇が『口に合わなかったらごめんなさい』って言ってた」




おそらくイヨか言葉を言い終わるより早く、ソラはチョコケーキを箱から取り出して皿にのせると一口食べてみた。
それからいつも無表情な彼女の表情がピクッと小さく動くのを鈴芽は見逃さない。


「美味しい…」

「良かった、十闇喜ぶな。」

「イヨさん良いなー、頼んだら作ってくれるんだろ?鈴芽も作れないの?」

「普通の料理は出来るけど…菓子はホットケーキしか作ったことありません。あれ…そう言えばイヨも作れるんじゃなかったっけ?前くれたミルフィーユ、あれ美味かった」

「…まぁ確かに出来るが十闇ほど上手く作れないし、まだまだだよ。」


いつの間にかイヨも苺のショートケーキを箱から取り出していて、鈴芽の言葉に少し照れてケーキを食べながら返事を返した。


「ツバサさんに作ってやれば良いじゃん」

「アイツ甘いモノあまり好きではないらしいからな。いつかビター系の菓子でも作ってやろうかと模索中だ。」


「アイツには内緒だからな」と念を押してイヨが言うと二人は苦笑しながら「わかった」と言った。




「ソラはケーキと鈴芽達、どっちの方が好きだ?」


紅茶を飲みながら突然イヨがソラに訊ねる。
ソラはしばらく間をあけた。


「ケーキかな…」

「マジかよ。中で今スゲー鈴見が文句言ってるんだけど」


鈴見というのは鈴芽のもう一つの人格で鈴芽とは180度違う正反対な性格な存在。ソラは鈴見の彼女でもあるしイヨは鈴見の存在を知っていたので普通に話を続けた。


「冗談だって。ちなみにどんな風に?」

「人より食い物選ぶのかよ底なし胃袋が…って」

「底なし胃袋は鈴芽達もだろうが。イヨさんはどっちの方が好き?」


ソラに訊かれて、ショートケーキの上にのっていた苺を食べてからイヨもしばらく何かを考える様に間をあける。


「んー…ケーキかな。」

「だよね。」

「まぁ好きの意味が違うから大丈夫だろ」

「ところで今度はイヨさんが作ったの食べてみたいな」

「また今度な。今日は無理」





それから二人は「クリームが苺と…」とか「丁度良いチョコの苦味が…」とかケーキについての話をどんどん膨らませていき、話がついていけないソラの隣で座っていた鈴芽は中にいる鈴見に話しかけようとしたが鈴見はふてくされて既に寝てしまっていた。


「なんだかなぁ…」


そして鈴芽はソラとイヨに聞こえないぐらい小さく呟いてからため息を一回つき、深くソファーに座り直してとりあえず話が一区切りするまで暫くの間その光景を眺めることにした。





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甘党二人組の話を書きたかった…んだ!!


永倉さま、一周年おめでとうございまぁああぁぁあすっ!!!

本当に、相互からもの凄く仲良くしていただきさらにコラボまで…!感謝感激感涙です!!


これからもよろしくお願いいたします!!

永倉さま、大好きだぁああああっ(殴