▼ Usually
緋里さまのDon't touchの続き……、のような、そうじゃ……はい、続きですッ!!
「そんでさぁ、泣いたんだよね」
「知るか」
「ねえ、なんでだと思う?」
「だから、知るか!!というかなぜ貴様がここにいるんだ、散れ!!」
「割りと真面目な相談なんだけどー、チビ」
「オレの所へくる理由になっとらん、死ね!!失せろ!!この、死に損ないのピエロが!!」
パリーン
「あっぶな…、なに、この薬品。あやしい煙出てますけど」
「貴様に教える筋合いはない。
そのイヨとやらの感情がわからんのなら読心能力を使えばいいだろう。バレない上、貴様は多重能力者だからその程度――」
「使ったら負けだと思ってる、リャクに。」
「オレか!?
ならば生涯頭を抱えて考えていろ!!」
「無理だからこんな大嫌いなリャクのところに、オレが、わざわざ、直々に来て相談してるんじゃん」
「他を当たれ屑!」
リャクの研究室に来ているツバサは思いっきりリャクの研究を邪魔していた。時々リャクが下級魔術をツバサに向けて発動したりしていて、研究室はツバサが来ていたときよりもグチャグチャと汚れていた。
リャクの真っ白な白衣の一部が溢れた液体色に染まっている。
イヨが泣いていた。
そのことについてツバサはリャクに相談をしていた。リャクは面倒臭そうにしながらもちゃっかり話を聞いている。
所々嫌味も言うが、いつものような喧嘩にならないだけ、とってもましだった。
「救いようもないな。ちなみに自白剤ならば50枚で手を打つ。」
「万札じゃなくて一円玉がそれだったら交渉成立」
「万札だ。」
「じゃあいらなーい」
「用がないならもう帰れ。オリジナルが貴様を捜しているようだしな」
「リャクに言われるのは不本意だけど帰る」
「二度と来るな」
ガチャリとツバサは非常に重い鉄の太い大きな扉を軽々と閉めてオリジナル――ソラに会いに行く。暫く歩いていれば勝手に会うだろう、とアバウトに建物の中を歩き回った。
数十分経ってやっと会えたソラはいつもと同じく無表情だった。
「やあソラ。俺を捜してたらしいね?」
「ツバサに聞きたいことがあるっていうか、話したいことがあるっていうか」
ツバサもボスだから、と頭を下げてからツバサに近寄りながらソラはそう言った。ツバサは気前よく笑顔で「何?」と言う。
「忠誠心…、というかツバサは忠誠される側だけど、それと恋情のどっちかをとらなきゃいけないとしたらどっちとる?」
「リカとサクラたちか、イヨかってことだよね?」
「そう」
「…ここで話すのもあれだし、ほら、談話室にいこうか」
ツバサはソラを誘導して、四階の談話室へ降りていく。
談話室に着けば、そこには休憩時間の合間を縫って来ている諜報、研究部の人たちでそれなりに賑わっていてツバサを見るとそれぞれ頭を下げた。
「普段はあんまいないのに今日はやけに多いんだけど」
「今日の日程表があの豆と被ったんだよ。パクるなっつの。
さて、話をしようか。俺はリカとサクラをとるよ。まあでも、ボスなんて立場にいれば嫌でもそうするべきなんだけどね。
ソラだけじゃないから、安心しなよ。」
「……。」
「それはソラだけじゃなくて、向こうもそうじゃないの?鈴芽くんと鈴見くんも、イヨだって。」
「……異常、?普通?」
「普通。だから落ち着きなさい」
無意識に握っていた左腕を離すとソラはグラグラと揺れる目を一旦閉じた。
僅かに、小さな声で「普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通、普通」と呟いて自分に言い聞かせるかのように。
どうみてもソラの様子は可笑しかったが、ツバサはそれをただ傍観しているだけだった。
「ツバサ、ありがと」
「どう致しまして」
ソラはツバサに頭を下げ、お礼を言ってから立ち去った。残ったツバサは笑う。ひそかに――
━━━………‥‥・・
なんだこれ、伏線か?
コラボにリャクを出すつもりはなかったんですが「そのイヨとやらの感情がわからんのなら読心能力を使えばいいだろう。バレない上、貴様は多重能力者だからその程度――」っていう発言の欲しさのあまり。
もうリャク出さない
私が出す気になっても出さない!
ボスはツバサしか出ちゃらめぇぇぇぇぇぇぇ!←
ちなみに補佐も出ませんし、絡みません☆(←←
そうホイホイ上層部が出てくるほど安い組織じゃないので……。出たとしてもお茶出す程度でしょう、サクラが。リカは容姿が容姿なので珍しく思われるのは嫌なんですよ。ミントとイヨさんを絡ませるのが俺の夢。