ミックス | ナノ


▼ Symmetry

Are you XXX ?の対称で、ソラ側。
勝手にすみません
ほぼソラばっか














どうしようか…。
なんだか鈴芽に悪いなぁ。
そんな風に思いながら携帯を取り出して、取り合えず伝えようかな、と胸の中で呟いた。

そしたら初期設定の待受が着信を知らせる画面に変わった。
名前は……、鈴芽?



『あ、ソラ?』

「鈴芽?電話なんかどうしたの?」

『悪ィ今日ソラんトコ行けねぇや』

「何で?」

『任務入った。つか今任務中』

「なのに電話してるのかよ。余裕だなー」

『ハハッ今休憩中だから。任務終わって真っ直ぐソラんトコ行くとしたら明日の朝になるぜ』

「そっか…鈴芽。」

『なんだ?』

「何か良いことあった?嬉しそう」

『――――そうか?じゃそろそろ休憩終わるから』

「ん。」



プツンと回線を切った。

なんだ…、ちょうどよかった。けど、鈴芽なにか嘘ついてた…?
休憩にしては妙に静かだった。鈴芽たちが行ってるのは革命だ。革命の戦地がそこまで静かなものか。もう革命が終わったのだとしたらまだ判る。

深追いは止めよう。
探られて嬉しいなんてわけはないだろう。

それにオレも―――



「………」



とある街の路地裏に標的と居る。
仕事だ。なんかの組織の幹部を暗殺してくれっていう依頼。いきなりきた依頼で驚いた。チトセとレオは別の仕事に出ていてオレに回ってきたのだ。それは一時間前の話。標的は男色に耽った奴らしい。オレが売春してる奴を装っていま落としたばかりだ。



(身体目当ての奴ほど楽な標的は居ないんだけど)



どのタイミングで殺してやろうか、ぼーと考えながらリードされるがまま歩いていく。

暗殺はオレの得意分野だ。

気がつけば目の前に佇むのはホテル。しかも家族が仲良く入れるホテルなんかではない。



「こんな昼間からいいんですか?貴方の仕事は」

「君のためなら仕事の休みくらいは易々」



ヘドが出るような台詞だ。
標的は眉目秀麗という言葉が似合うその顔ににっこりと花を咲かせた。部屋に入るや否やいきなりベッドにオレを押し倒す。
つかオレは受ける方なのか。


仕事の話はあんまり鈴芽と鈴見にしない。こんな汚れた仕事、バレたらヤバいなぁーと別のことを考えていたら標的はオレと口をつけようとしてきた。
さすがにこれは譲れない。鈴たちの、だ。



「すみません、離れてくれませんか?ついでに死ねよ」



その腹を蹴り、引き剥がすとオレは起き上がり、同時に素早く拳銃を抜く。頭に標準を合わせて、右腕の袖を捲った。
標的なんか目を丸くしてオレを凝視している。容姿だけはいいのにね。「やっ、ひゃめてくれぇ」なんて命乞いを聞く気はないからさっさと殺す。音は鳴らないように消音機器を取り付けてるからパシュなんて情けない音がする。



(あとは証拠を全て消すだけ)



鈴芽に怪我がありませんように、と柄に合わず祈った。
まあ鈴芽なら大丈夫だと思うけれど

- ナノ -