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▼ 少女マンガを希望します

私は今日告白しました。

それはもちろん、好きな男の子に。

そしてフラれました。






「あーあぁ…」



誰か慰めてくれないかなぁ…。
少女マンガだったら、この場合はなんとも思ってない男の子(クラスメイトか幼馴染み。私的には幼馴染みの年上を希望。)が慰めてくれるんだよ。へこんでる私を見かけて、心配してくれて。頭を撫でながら私に「どうしたの?」って聞いてくれれば、もう…満点!はなまるあげちゃう!ぐるぐると描いちゃうよ!ほっぺたに赤ペンで描いてやりたい…っ!!



「はぁ…」

「どうしたんだ?」

「……!…、なんだ、優か。」

「なんだとはなんだよ」



私を心配して現れたのは男の子。だけど私の期待を思いっきり裏切る人物だった。一瞬だけ期待した私を呪ってやりたい。

彼は年下の男の子。私との関係は姉弟。ちなみに優は私の義弟だ。近親恋愛は邪道だと思ってる私はとくに美味しいわけではない、この設定。
そもそも、少女マンガではあんな風に描かれているんだけど、現実は全くの別。恋愛対象外。私好みだったら少し考えるかも。少しだけね。



「フラれたの」

「…、泣く?」

「泣かないよ……。」

「目尻あかいけど…」

「気の、せいよ」

「……」



目尻なんかあかくない。
鼻だってつぅんとしてないし!
それに、別に、視界だってぼやけて、ない…んだから。

おとうとのくせに



「ぅぇ…っ、」

「あ…。…ほら、泣いた。」

「ないてなんか、っないよぉ…」

「そいつ…、誰か知らねーけど、好きだったんだろ?」

「…ゆう…」

「泣けばいいだろ、思いっきり」



ああ…、おとうとのくせに


これが幼馴染みの男の子だったらよかったのに

これが年上の男の子だったらよかったのに

これが少女マンガだったらよかったのに

これがドラマだったらよかったのに

これが恋愛小説だったらよかったのに

これが映画だったらよかったのに

これが私のおとうとでよかった


勝手に流れてくる涙を一生懸命手で拭った。



私は今日告白しました。

それはもちろん、好きな男の子に。

そしてフラれました。

私を慰めてくれた優は年下の男の子。私との関係は姉弟。ちなみに優は私の義弟だ。近親恋愛は邪道だと思ってる私はとくに美味しいわけではない、この設定。





(だけど、今だけはこれで満足)



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ジャンルが迷子

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