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▼ The truth that exists in mirror




 ◎ 再び、緋里さまが書いた小説の続きを勝手に書きました。今回は『I come to love you gradually.』。気が付けば『ずるい奴』『Amrit...』『I come to love you gradually.』の順になってるよ、わっしょい!!←
 ◎ 調子にのってすみません。反省してます。だが後悔はしな(((












手は伸ばさない
目蓋は開かない



彼女は、イヨは俺の存在を認めた。言葉に迷いながらも必死に紡いで胸に秘めた言葉にし難い感情を必死で伝えた。俺に言い残してイヨは立ち去った。

俺は一瞬、彼女は何を言っているのだろうとわからなかった。

紡いだ言葉は彼女の声にのり、すぅっと耳から脳へ入り込んだ。確かに彼女は俺を認めた。ここに在るんだと、存在しているんだと、喪ってないんだと。

笑みがこぼれる。



「ああ、面白い娘だ」



(本当にそれだけ?)

俺を閉じ込める狭い牢獄を知らない癖に。

(だけど俺だって彼女の抱える闇を知らない)

どうして、あんな言葉が吐ける?
どうして俺の存在を認めたんだ?


左手で頬をなぞる。
イヨが触れた右手を見る。


「顔に表れていたか」



(「俺」もまだまだだね)

踵をかえしてその場を立ち去る。

俺にも、イヨにも、あの子たちにも、みんな事情がある。事情があるから裏側の世界にいる。のほほんと平和に生きてきた人間ならばとうに死んでいる。

恋してもいいのだろうか。

愛してもいいのだろうか。

こんな俺が。


(いいと思うよ。人間らしく生きようよ)


今まで、あんなことを言われたのは何度もあった。補佐であるリカとサクラにも、あのリャクにも言われた。

だけどイヨに言われた言葉が一番、すっとする。


(ほら、認めちゃいなよ。彼女が好きなんだって。これくらいは嘘をつかないで生きて。君自身の生き方を俺に見せて)


やっぱり俺はイヨの事が――……


手を伸ばして
目蓋を開けて

その先にあった事実は温かい




━━━━━━……‥‥・・

灰色の文字の人はツバサであってツバサじゃない人です。MEMORIAとサガシモノを読んでいる鋭い人なら、たぶん誰なのかわかると思い……ます…?(←

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