▼ It seems to go mad.
「人肌が恋しい」
そう呟いてツバサがイヨに抱き着いたのは今から20分くらい前。ツバサはここ数週間、仕事に追われていた。そして現在も。しかしイヨに会いたくなって、部屋に呼んだ。補佐であるリカとサクラには文句を言われたりしたが、面白がったミントとシドレたちの賛成を得、なんとか反対派を抑えた。ツバサの部屋は書斎と同じく生活感がない、無機質な部屋だった。そこにパソコンや、散乱した紙には暗号が書かれていて一見すれば何を書いてあるのか一切わからない。これらが散乱しているおかげで、なんとか誰かが生活していることがわかるくらいだった。
「暑い。」
「知ってる。俺も暑い」
「じゃあ離れろ」
「昼間から脱がされるよりいいでしょ。」
「………。」
イヨは黙ったままため息をついた。まるで手のかかる子どもを持ったような気分だ。
「仕事はやらなくていいのか?」
「今は休憩だからやらなくていい。」
イヨの首筋に口を近づけ、キスをした。イヨの身体がビクッと反応する。ツバサは吸い上げ、朱をつけると別のところでまた同じことをする。イヨは離れようとしたが、ツバサの力に負けてしまう。
伊達に組織のトップをつとめていない、ということが戦闘慣れしたイヨにもよく理解できた。
「今日は、よく…甘えるな…っ」
「イヨが恋しいから。大好き。」
ツバサがイヨの首筋を舐めた。慣れない感触にイヨの身体は跳ねる。その反応がたのしくてツバサはその度は増していった。
「理由は会えなかった…から、だけじゃな、いだ、ぁっ」
「それ以上は言っちゃ駄目だよ、イヨ?」
「……っ」
カリ、とツバサが噛んだところから血が流れる。ツバサはイヨの血の味が口内に広がることがたのしくて、その傷口に舌が入り、動く。
「ツ……、痛」
「その顔好き」
「止め、」
ズキズキと、浅い傷口がイヨに痛感を与えた。
「殺したいくらい愛してる」
血が流れることを赦さず、ツバサは唇で、舌で弄んだ。
━━━━………‥‥・・
いつのまにか狂愛っぽくなりました。狂愛好きです(←