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▼ 緋里さんはぴば!


会話文ばっかです


「緋里さん、誕生日おめでとう」

「……おめで……と、う。……。貴様は死ね」

「照れ隠しで俺に死ねって言わないでよ。チビが死ね」



はあ、とため息をついてツバサは紅茶の入ったカップに口をつけた、ふわふわと柔らかく触り心地の良いシックなソファはツバサが背もたれに身体を預けるのに合わせてかたちを変える。正面に座るリャクはツバサを睨みながらバチバチと周囲に電流のようなものを時おり発生させていた。



「なぜ貴様がこんなところにいるんだ。確かに永倉はアイツの誕生日を祝うからとオレに言ったが貴様が来るとは聞いていない」

「裏事情ってやつだよ。あ、祝うんだからお互い今日は手を出さないようにしようね」

「貴様の紅茶を事故に見せ掛けてその小綺麗な顔面にかけてやるくらいはできるがな」

「このテーブルに俺の足を掛けて伸ばせば、テーブルはリャクの膝に当たって間接を外せるくらいの事故もできるよ」

「で、裏事情とはなんだ」

「ああ。本当は俺じゃなくてイヨがくるはずだったんだよ」

「あの棘か」

「けど永倉が配慮したんだよね。チビとイヨを会わせたところで、チビは嫌なことしか言わないしイヨを実験体としか見ていない。まあ、そもそもリャクは全部が実験体にしか見えないけど他所様に迷惑は掛けられない」

「あの緋里とやらは薬品をかけてほしいと喚いていたが」

「敬称をつけなさい。だからってイヨに変なこと言っちゃだめでしょ。ただでさえコラボでお世話になってるのに」

「貴様がな」

「とにかく、まずリャクは『おめでとうございます』を言えるようにならないといけない」

「死ね」

「照れ隠しはもういいよ」

「照れ隠しなどしていない」

「おめでとうございますって言ってみなよ」

「嫌だ」

「はっ、言えないから?」

「……あとで覚えてろよ……」

「返り討ちにしてあげるよ」

「おめで……」

「睨みながら言わないでよ」

「お、おめ……ます」

「最初と最後だけ?」

「でと……。……Congratulations」



長く続けていた会話。
リャクの目は殺気に満ちた目でずっとツバサを睨み、ツバサは隠しているはずなのについ殺気を滲み込ませてた流し目がリャクをとらえていた。互いに手は出さぬようにはしていたが、目だけはたしかに殺気が込められていた。
そんな中の話題でリャクは不意にカップを持ったまま顔を反らしてボソボソと呟いた。誤魔化すように紅茶を口に含むリャクにツバサは「は?」と聞き返した。



「……Congratulations」

「……なんで英語なの」

「言ったからもういいだろ!」

「あっつ」



リャクは魔術でツバサの熱いカップをひっくり返したあと白衣を翻し、はやあるきで部屋を出ていってしまった。
ツバサはフツフツと沸き上がるリャクに対する殺意と怒りを感じつつ一言呟いた。



「……照れ隠しか」




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緋里さんハッピーバースデー!
遅刻してるけどツイッターで当日祝ったから許して! 誕生日おめでとう!




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