▼ Reunion
※ 緋里さまの「双子」の続きです
春の冬とは違う暖かい風に頬を撫でられながらソラは質量がほとんどない学生鞄を肩に掛けていた。
彼はおなかがすいた、と小さく呟いた。
午後の授業を睡眠に費やしたソラは昼の弁当では足りなかったようで、一緒に帰るルイトを校門に置いてから売店に来ていた。もちろんソラが売店に向かっているのは勝手なこと。それを知らないルイトははたして今回は何と怒るのだろうか。
ソラは慣れたように売店でパンとアイスクリームを買うと、歩きながら校門へ向かおうとした。
そこですれ違った人物がいた。
校内でも目立つ緑色の髪。
どこかで聞いたことがあるような低い声。
「え」
つい二度見をした。それから「ああ」と一人で納得した。今日、先輩の不良に追い掛けられた時、たまたま出会った別の先輩にすべて任せてソラ自身はさっさと逃げていったのだ。
派手な緑の髪が印象的でよく覚えていた。
まさかここで再開するとは。
相手はソラに気付いていないらしい。別にこのまま通りすぎてもよかったのだが、あのあとどうなったのかが知りたくて声をかけた。
(外見的な大きい傷は見えない。ってことはルイトみたいに口で説得したか喧嘩に勝ったか……。擦り傷はあるし、喧嘩したのかな)
「こんにちは、緑髪先輩。……あれ?」
声をかけてからソラは眉間にシワを寄せた。
同じ人が二人いる。
相手もソラも硬直した。
よくみれば緑髪の二人の雰囲気は表情、顔は違っていた。
顔の元はおなじなのだが、顔の筋肉に入れる力が違っていて、よくみると顔が違うのだった。
「分身ですか」
「あ! 鈴見、こいつだ。いま話してた奴!」
「るせぇよ! 耳元で騒ぐな!」
ソラは分身でもしているのかと、驚いた。驚いても表情に現れにくく、無表情に近いだろう。
「さきほどはどうも。お疲れさまです。ところでどちらが分身なんですか」
ソラも、なんとなく双子だとわかってはいたものの、分身設定を突き通して聞いてみた。あのあとのことも聞かないとな、とアイスクリームを口に運んだ。
「俺らは分身じゃねえよ」
鈴見はソラにいうとソラは「へえ」と短く呟いた。鈴芽が説明しようと口を開く。
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そしてパス
微妙なとこでパス
私ひどい
悪気はあるけどごめんね