▼ Photograph
「……あ」
「?どうした?」
「写真みつけた」
年末だから、とツバサの指示でソラとルイトは客室を掃除していた。ツバサの部下であるルイトならまだわかるにしても、ソラはツバサの部下ではない。ウノの部下だ。はじめは文句を言っていたソラもだんだん落ち着いてきた。
そしてイヨがよく泊まる部屋の掃除に入ったとき、ソラは写真をみつけた。
「……」
「っな……!!」
そこに映っていたのは、ツバサがイヨに迫っているところ。ソラは動じなかったが、ルイトは違う。耳まで真っ赤にしてたじろぎ、後退した。しまいには足をひっかけて尻餅をつく。そんなルイトにソラは小馬鹿にしたような声を掛けた。
「オレより歳上のお兄さんがこんなので動揺しないでよ」
「う、うるさいな!上司のそんなとこ見たら動揺くらい、する、だろ……!」
「……上司……」
「お前いまウノ様で想像しただろ」
「まさか」
写真をすぐそばにあるベッドに置いてソラはルイトに近付く。ルイトは立ち上がろうとしている。そこへソラがルイトの肩を押した。ソラがルイトを押し倒した状態の出来上がりだ。ソラは髪をほどいてルイトに迫る。そして赤面するルイトをみてほんの少し笑った。
「ルイト、少しは耐性つけなよ。相手さんに怒られるよ」
「っおま」
「もしかして違う?きつーいお仕置き?
まあ、オレも怒られるか。こんなとこ見られたら。とくに鈴見――」
ルイトをからかったソラは写真と掃除道具を持った。真っ赤になったままのルイトはソラを睨むが効果はまったくないのは本人も十分理解していた。
「これ、ツバサのとこに持っていこうよ。返却、返却」
「本人のところへ持ってくのかよ!?どうみても本人が撮ったわけじゃないだろ!?」
「まあ……。だったら誰が撮ったの」
「……シドレ?」
「……え。あの人が?」
━━━━………‥‥・・
なんとなくここまで!