▼ Promise
シドレは苦笑いをした。自分が悪い。けれどそれを言ってしまえばイヨも自分が悪いと訴えることは容易に想像できていた。もしイヨがそれを言えば、ループしてしまう。
「それでしたらこうしましょう!私は夜這いっぽいのを止めます。イヨさんはなるべく攻撃をするのをやめてください」
「……む」
「お互い自分が悪いのだと訴えていては良知があきません」
「確かに、納得だ」
「これからも宜しくお願いいたします」
笑って、シドレは深々と頭を下げた。イヨもつられて頭を下げる。顔をあげたシドレは笑っていた。
清楚なこちらが素顔なのか、変態である方が素顔なのか迷ってしまうほどの笑顔だった。
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┃おまけ┃
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「イヨさん!」
「シドレ!?」
昼間、イヨが訪れたのを狙ってシドレがイヨに抱きついた。
あれからというもの、夜這いらしき行為はなくなったが、昼間のスキンシップが激しくなったのだ。さらにシドレはイヨを自分と同じ道へ引きずり込みたいのか、変な話をするようになったのだ。
イヨは抱き着いたシドレを引き剥がし、ついでに蹴り飛ばそうかと思ったが、すでにシドレは後から現れたワールに回収されていた。
「くっそ、シドレは仕事があるだろ!!なんで脱け出すんだよ!!」
「私の異能をもってすれば逃亡なんて容易いことです!しかし厄介者ですよ。アイとワールの二人が追跡者だなんて……。千里が、むぐぐっ」
「だ、ま、れ!!悪い、イヨさん。すぐに帰るから。ツバサなら談話室で誰かと雑談してるだろうから」
「そうか……」
ワールの後を追って後ろからアイが現れるのを確認しながらイヨはその場を急いで立ち去った。