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▼ Time of awaking


キャッチしたぜ緋里さまのパスを!!

ということでintoxicateの続きです






















「っアイー、あいーあいー!た、すけてぇぇっ」

「はいはい、ワールはシドレから離れろ」

「うるせーえ、母親ぶってんじゃねー!シドレは俺が貰う」

「私は妄想の化身だからワールのじゃないのぉぉっ」

「自分で言ったよこいつ。とにかくワール離れろって……!!」

「俺はシドレが好きだ、愛してるーー」

「男なんか、男なんかぁぁぁぁぁっ」



部屋から酔っぱらい二人を両脇に抱えて引きずるアイはため息を吐く気力もなかった。
いつもの調子はどこかに消えてわんわん泣くシドレとシドレに引っ付こうとするワール。
彼らがアイによって部屋から出た時、ツバサは暢気に酒を飲みながらどうしようかな、と頭を働かせていた。



「……してもらいたいこと、ねえ?」

「そう……」



ツバサは違和感を感じていた。
いつものイヨならばツバサに積極的に抱き着いたりはしないのに、今は顔を紅潮させて目をとろけさせていた。ソファに座るツバサの腰に腕をまわして離す気配はない。潤った瞳を使ってツバサを上目使いでじっと見ている。ツバサは彼女の栗色をしたやわらかい髪に指を絡ませながらグラスの輝く氷を、感情をのせない目で眺めていた。それからイヨにむかってにっこりと笑みを貼り付ける。

なんか、来るべき時を早く起こしちゃったな

そう胸の中で呟いて。



「イヨも夏生まれなんだよね?」

「そう、だが」

「俺もイヨになにか、出来る範囲のもので、あげようか?」

「つばさが、さき」



甘えたような声を出す。普通の男ならとうに本能に従っているようなものだったが、ツバサは普段とまったく同じ態度だった。なにも変化はない。あえて変化を挙げるならば、その場の雰囲気に関係なく何度か咳き込むくらいだった。



「俺が先でいいの?本当に?」



ツバサが念のために、とイヨに問いかける。イヨはゆっくりと頷いて見せた。

ツバサの唇が歪に歪む――……

イヨに今まで見せたことがない笑みだった。イヨは幸い再びケーキに手を伸ばしている最中で、その笑みには気がついていなかった。



ツバサは上半身を起こしているイヨの方を押す。イヨはフォークを持ったまますっと折れた花のようにソファと背をつけた。まるで押し倒したような状態だ。



「俺は欲しいモノがある」

「なに?」



ツバサは妙に整った顔を笑顔に嵌め込むとイヨの髪を掬った。そして普段より低い声で、やはり笑ったまま、告げた。




「――君の情報だよ」




酔っていたイヨを目覚めさせるに十分なひとことだった。イヨのとろんとした目はだんだんはっきりしていく。



「やっぱり俺は今より普段のイヨが好きだよ。
おはよう。現実という窓を開けてリアルの空気を吸って目を覚ますといい」



あらかじめ用意されたような台詞だった。

イヨから離れ、ツバサはグラスに酒を注ぐ。



━━━………‥‥・・

そろそろかな、と思いまして……
ちょっとだけ、ちょっとだけ互いを互いが知って欲しいなという独断の判断ですのでかわしてくださってもかまいません、むしろかわしてくれることを祈る←

ちなみにイヨさんの銃はシドレたちが酔ったついでに持っていっちゃいました。
さらについでに、ツバサの得物はありません




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